アルファタウリのチーム代表を務めるフランツ・トストが、もし角田裕毅とニック・デ・フリースのいずれかがレースに出走できなくなったとしても、ダニエル・リカルドをその代役として出走させることは考えていないと語った。
■リカルドがアルファタウリのリザーブを務める可能性も?
2022年シーズン限りでマクラーレンのシートを失ったオーストラリア出身ドライバーのリカルドだが、今年は古巣レッドブルとサードドライバー契約を結んでいる。
伝えられるところによれば、リカルドの役割はどちらかといえばアンバサダー的役目に比重が置かれており、今季の23戦全てにリザーブドライバーとしてチームに帯同することはないようだ。
だが、もしもレッドブルのドライバーが何らかの事情により出走できなくなった場合、リカルドがその代役として出走する可能性はあるだろう。そして、それはセカンドチームのアルファタウリにも当てはまると考えられている。
「理論的には、そうできるだろうね」
『motorsoprt-total.com』にそう語った67歳のトストは、現在レッドブルのジュニアプログラムに所属する若手ドライバーの名前をあげながら次のように続けた。
「だが、私としてはそういうことにはならない方がいいね。(リアム)ローソンやデニス・ハウゲのような若手ドライバーたちがいる。我々としては主に若いドライバーたちに焦点を合わせたいと思っているんだ」
「それが我々の基本的考えの一部だからね」
■人材不足のレッドブルジュニアドライバー
だが、現在のレッドブルのジュニアドライバーたちはまだ力不足であり、F1で走らせるのはまだ無理だと考えられている。
実際のところ、昨年ピエール・ガスリーをアルピーヌに移籍させるためにその後任ドライバーを選ぶ必要が生じたとき、レッドブルは自分たちのジュニアドライバーたちの中からそれを選ぶのではなく、メルセデスに所属していたデ・フリースを選択したという経緯もある。
しかし、トストは、自分たちの考え方はこれまでと何も変わっていないと次のように続けた。
「我々はこれからもずっとレッドブルを頼っていくことになる。我々の基本理念は変わっていないよ」
「我々は今後も若手ドライバーの育成を続けていくことになる」
■新人2人を起用するやり方は通用しない
そう語ったトストだが、F1には間違いなく変化が起きており、それに対応していくことが重要だと感じているようだ。
「変わったのはF1全体だよ。今は非常に競争が激しくなっている」
そう語ったオーストリア出身のトストは、次のように付け加えた。
「つまり、若いドライバーを連れてきたら、彼らと共にいいプログラムを行う必要がある。可能な限り、彼らを鍛えなくてはならないからね」
それゆえ、トストは2人の若いルーキーを同時にF1デビューさせるというかつてのトレンドは、もうすでに過去のものだと示唆している。
「技術的なフィードバックもあるからね。若いドライバー2人では、それは難しいだろう」
「しかし、レッドブルが今後我々のドライバーの1人を必要とすることもあるだろうし、それもレッドブルが2チームを持っている理由のひとつだよ」
今季3年連続でのF1ドライバーズタイトル獲得を狙っているマックス・フェルスタッペン(レッドブル)だが、体調不良によりジェッダに入るのが予定よりも1日遅れてしまっていた。
幸い、フェルスタッペンの体調はすでに回復したと伝えられており、レース出走は問題ないと考えられているため、サウジアラビアGPではレッドブルが誰かほかのドライバーにその代役を務めさせる必要はなさそうだ。