フェルナンド・アロンソが、今年のアストンマーティンF1マシンはレッドブルのマシンをコピーしたものに過ぎないとの指摘に反論した。
■レッドブルのコピーだと指摘されているアストンマーティン
今年のプレシーズンテストで大きな注目を集めたアストンマーティンだが、迎えた開幕戦バーレーンGPでも強さを見せ、41歳のアロンソがレッドブル勢に次ぐ3位表彰台を獲得している。
2022年と比べると見違えるほどのパフォーマンスを手に入れた今年のアストンマーティンだが、そのエンジン、トランスミッション、リアサスペンションは、技術提携契約を結んでいるメルセデスから供給されている。
だが、レッドブルのチーム関係者は、アストンマーティンが昨年から今年にかけて空力的に大きな飛躍を遂げたのは、圧倒的な強さを誇った2022年型レッドブルマシンのコンセプトをコピーしたためだと主張している。
実際のところ、レッドブルの2022年型マシンの開発に空力責任者として携わっていたダン・ファローズがアストンマーティンに引き抜かれており、2022年4月からシルバーストンにあるファクトリーで2023年型アストンマーティンF1マシンの開発に携わっていたのは確かだ。
■違いがあるのは一目瞭然だとアロンソ
だが、第2戦サウジアラビアGP(19日決勝)の舞台となるジェッダ・コーニッシュ・サーキットでこの話題について質問された2005年と2006年のF1チャンピオンであるアロンソは次のように主張した。
「そういうコメントはまったく気にしていないよ」
「僕は自分のチームに集中しているんだ。だけど、この2つのマシンに違いがあるのは一目瞭然だよ」
レッドブルとアストンマーティンの主な違いを具体的に説明するよう求められたアロンソは、次のように答えている。
「見た目にもそれらは違うよ」
「その例として言えば、メルセデスは僕たちのマシンの50パーセントは彼らのものだと言い、レッドブルはそのマシンの50パーセントは彼らのものだと言っている。だけど、この2つほど異なるコンセプトなんてないよ」
「そのことがはっきり示している。その2つの説のいずれもが真実ではないことをね」
■実際に一番似ているのはアルピーヌ
「見た目的にはどのマシンもちょっと似ているのは事実だけど、僕たちはその2つのマシンとは違うコンセプトを持っているんだ。フェラーリ、ハース、アルファロメオも、それぞれがすごく似ているよ」
「そして本当のことを言うと、僕らのマシンに一番似ているのはアルピーヌだと思う。トンネルがあるサイドポッドを持っているからね」
昨年まで所属していたチームのマシンに言及しながらそう語ったアロンソだが、レッドブルとメルセデスがそうした反応を示しているのは、シーズンオフの間にアストンマーティンが大きな改善を成し遂げたことに彼らが驚いたためだと考えている。
「あちこちを改善しようと試みてはいるけれど、今はどのチームも予算が限られているために苦しんでいる」
「だから、2秒あるいは1秒も改善したほかのマシンを目にすれば、どうすればそんなことが可能なのか探さなければならないんだ」
「だけど、ある意味ではいいことだと思う。それは自分たちがやってきた仕事に対する賞賛だからね」
「冬の間、僕たちのプロジェクトには勇気があった。ダン・ファローズはとても強い意志を持っていたよ」
■今週末のサウジアラビアGPではアストンマーティンが苦戦?
テレビ局『Sky Italia(スカイ・イタリア)』にそう語ったアロンソだが、今週末のジェッダ・コーニッシュ・サーキットではアストンマーティンが苦戦を強いられる可能性もあると次のように続けている。
「だけど、僕たちは冷静でいる必要もある。バーレーンで起こったことと同じことがここでも起こるかどうかが気になるからね」
「バーレーンでは高速コーナーとストレートが僕たちの弱点だったけれど、ここにはそれしかないんだ。だから、おそらく良くない驚きがあるだろうね」。