6月4日(日)に決勝が行われる2023年F1第8戦スペインGPだが、その舞台となるバルセロナ・カタルーニャ・サーキットに象徴的な高速連続右コーナーが復活することになり、よりスピード感にあふれるレースが期待できそうだ。
このサーキットは本来、ターン13と最終ターン14が高速右コーナーとして続いており、マシンがかなりの速度を保ったままホームストレートに戻ってくる形となっていた。
だが、安全上の理由から2007年にこの2つのコーナーの間にシケインが設けられていた。この理由について、バルセロナ・カタルーニャ・サーキットは「バリアが近かったことと、ランオフが非常に小さかったため」だと説明している。
■新たな安全テクノロジーが高速コーナー復活を可能に
しかし、テックプロバリアなどの新しい保護・減速システムが登場したことにより、今年からかつての2連続右高速コーナーが復活されることになったものだ。
今回のレイアウト変更は、すでに1月下旬にFIA(国際自動車連盟)によって承認されており、もちろん、F1レースディレクターのニールス・ヴィティッヒもこれに関わっている。
ちなみに、昨年はヴィティッヒとエドゥアルド・フレイタスの2人が交替でF1レースディレクターを務めていたが、今年は23レース全てにおいてヴィティッヒが単独でレースディレクターを務めることになっている。
■あらゆる影響を考慮して承認したF1レースディレクター
ヴィティッヒは、今回のバルセロナ・カタルーニャ・サーキットの高速コーナー復活は、前任者であるマイケル・マシが推進していたことであると認め、次のように語った。
「これは少し前から検討されていたことだ。明らかに一夜にしてできる修正ではないし、その影響や予期せぬ結果も全て考慮しなければならないからね」
■象徴的コーナー復活を喜ぶマーティン・ブランドル
イギリス出身の元F1ドライバーであり、現在はテレビのF1解説者を務めているマーティン・ブランドルは、今回のレイアウト変更について「速くなるよ!」と語り、次のように付け加えている。
「パワーステアリングが導入される前は、あの2つの右コーナーでF1マシンにしがみついているのは身体的に大変なことだったよ」。