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【F1テスト2023】全10チームの総評は?最多周回数と最速タイムから勢力図が見えてきたか

2023年02月27日(月)0:04 am

バーレーン・インターナショナル・サーキットで行われた3日間という短いF1プレシーズンテストが終了した。

1週間後に開幕を控え、各チームはこれからデータを解析してセットアップと戦略を決めていくことになるが、各チームの新マシンの完成度はどうだったのだろうか。ここでは周回数順に並べてみよう。

■アルファタウリ

3日間の総周回数:456周
3日間のファステストラップ 1:31.261(角田裕毅)

アルファタウリは、3年目の角田裕毅とルーキーのニック・デ・フリースが合計456周し、全チーム中最多周回数となった。

角田はテスト最終日、3日間で6番手タイムを記録し、デ・フリースは初シーズンに向けて2番目に多い走行距離を走破した。

■ウィリアムズ

3日間の総周回数:439周
3日間のファステストラップ 1:32.549(ローガン・サージェント)

ウィリアムズは、アレクサンダー・アルボンとアメリカ人ルーキーのローガン・サージェントが合計439周した。

新マシンの電気系統に異常が発生しただけでほとんどトラブルフリーで3日間を過ごした。アルボンは1年前よりも「確実に速い」と語っており、最下位脱出を狙う。

■フェラーリ

3日間の総周回数:416周
3日間のファステストラップ 1:31.024(シャルル・ルクレール)

フェラーリは、シャルル・ルクレールとカルロス・サインツが合計416周し、タイムではレッドブルと競った。

しかし、バウンシングやタイヤのデグラデーションなどいくつかの問題にも直面しているが、フェラーリはバウンシングについてはあまり心配していないようだ。

■ハース

3日間の総周回数:414周
3日間のファステストラップ 1:31.381(ケビン マグヌッセン)

ハースは、ケビン・マグヌッセンとレギュラーシートに戻ってきたニコ・ヒュルケンベルグのベテラン組が合計414周を走行した。マグヌッセンが2日目に95周を走破して7番手タイムを記録するなど、ハースは順調な3日間を過ごした。

ヒュルケンベルグは初日に小さなスロットルトラブルが発生したが、それが信頼性の面で唯一の気になる点だ。

■レッドブル

3日間の総周回数:413周
3日間のファステストラップ 1:30.305(セルジオ・ペレス)

レッドブルは、2冠の王者マックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスのコンビで413周を走行。最終日にはセルジオ・ペレスが3日間の最速タイムを記録して締めくくった。

木曜日にはマックス・フェルスタッペンが1日で157周を走り、さらにトップタイムを記録した。

また、信頼性の面でもほぼトラブルのない3日間を過ごしており、今年もチャンピオン候補筆頭と言える。

■アルファロメオ

3日間の総周回数:402周
3日間のファステストラップ 1:30.827(バルテリ・ボッタス)

アルファロメオは、バルテリ・ボッタスとジョウ・グァンユが合計402周を走行した。

2日目にはジョウ・グァンユがタイムシートのトップに躍り出て、マシンに速さがあることを示した。

しかし、アルファロメオは2度の赤旗を出してしまった。1度目はジョウ・グァンユがピットレーンの出口でストップ。2回目は最終日にバルテリ・ボッタスがパワーユニットのトラブルでストップした。

こうした問題を解決すれば、ミッドフィールドでの戦いに加わってくるだろう。

■メルセデス

3日間の総周回数:398周
3日間のファステストラップ 1:30.664(ルイス・ハミルトン)

メルセデスは、ルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルが398周を走行した。

しかし、2日目にジョージ・ラッセルが油圧系の問題でコース上にストップしてしまった。3日目にはマシンを修復し、ルイス・ハミルトンは2番手タイムで最終日を終えたが、「バウンシングがほとんどなくなった」ものの新車W14にはまだ「根本的な問題」があり、マシンバランスには苦戦しているようだ。

■アストンマーティン

3日間の総周回数:387周
3日間のファステストラップ 1:31.440(フェルナンド・アロンソ)

アストンマーティンは、テスト前にランス・ストロールがトレーニング中に小さな事故に遭い「手と手首」に怪我をしてしまった。急遽テストドライバーの新人フェリペ・ドルゴビッチが代役を務め、移籍してきたフェルナンド・アロンソを中心に合計387周を走行した。

注目を集めたのはアロンソの走りだ。新車AMR23はアロンソの意のままにスムーズに動いているようで、タイムも良く、パドックでは3番目のチームに加わるかもしれないとまで言われている。

■アルピーヌ

3日間の総周回数:353周
3日間のファステストラップ 1:32.762(ピエール・ガスリー)

アルピーヌは、移籍してきたピエール・ガスリーとエステバン・オコンのフランス人コンビが合計353周を走行した。

オコンは昨年より「進化している」と強調したが、タイムは下位に沈んだ。

序盤、ピットストップの練習中にリアの駆動系トラブルに見舞われたが、最終日には克服したようだ。

■マクラーレン

3日間の総周回数:312周
3日間のファステストラップ 1:32.160(ランド・ノリス)

マクラーレンは、オーストラリア人ルーキーのオスカー・ピアストリとランド・ノリスが全10チーム中最も少ない合計312周の走行に留まった。

マクラーレンのボスであるザック・ブラウンは「シミュレーター予想がコース上のマシンに反映されていない」と認めており、新車MCL60は空力効率の悪さ、ダウンフォース不足に悩まされている。

マクラーレンにはパフォーマンスと信頼性の向上が期待される。

■総評

トラック上の走り、周回数やタイム、信頼性、ドライバーやチーム代表などの声から勢力図を予想してみよう。

まず、レッドブル、フェラーリ、メルセデスの「トップ3」は今年も変わらず「トップ3」のままだろう。その中でも、レッドブルだけは1つ上の「別リーグ」で戦っているような速さと安定感がある。

最も関係者を驚かせたのが「アストンマーティン」だ。マシンの動きは非常にコントロールがしやすそうで、テスト中によくある見せかけのパフォーマンスではないことがわかる。トップ3以外の4番目のチーム以下で構成されるミッドフィールド(中団)争いで常に上位に絡み、3番目のチームになるポテンシャルを感じる。

アルファタウリ、アルファロメオ、ハースは、信頼性を向上させ、正しいセットアップと正しい戦略を毎回実行できれば、毎回トップ10争いに絡んできそうだ。

苦戦しそうなのは、マクラーレン、アルピーヌ、ウィリアムズだ。

昨年同様にトップ3以外の中団争いは非常にタイトになっており、事前シミュレーション、セットアップ、戦略、ドライビングで少しでもミスをすればトップ10にすら届かなくなってしまうだろう。

もちろんF1側の狙い通り、全10チームの誰が勝つか分からない状態になることを願いたいが、今年に関しては王者レッドブルを筆頭にフェラーリとメルセデスが追う展開、そしてアストンマーティンとその他のチームがトップ10圏内を激しく争うという構図になるだろう。

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