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アルファタウリF1、売却の可能性!ホンダはどうする?角田裕毅はどうなる?

2023年02月26日(日)20:28 pm

2023年2月25日、アルファタウリF1の将来について「売却の可能性」という興味深い情報が飛び込んできた。

昨年、エナジードリンクメーカーのレッドブル社の共同創業者のディートリッヒ・マテシッツ氏が亡くなってから、レッドブル社は新経営陣が引き継いでいる。レッドブルは非公開企業だ。

その後アルファタウリF1の売却のうわさ話が出た際、ヘルムート・マルコ(レッドブル・モータースポーツ・アドバイザー)は新経営陣と話をして、『レッドブル・レーシング』と『スクーデリア・アルファタウリ』の将来について心配することはないと話していた。

■アルファタウリF1、売却か英国へ引っ越しか

しかし、昨年10チーム中9位で終えたアルファタウリF1については、評価した結果「結果とマーケティング・バリュー(価値)」が「高いコストと見合わない」と判断したとドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が報じている。

レッドブル新経営陣は、イタリア・ファエンツァを本拠地とする『スクーデリア・アルファタウリF1チーム』を『レッドブル・レーシング』と同じ“イギリスへ引っ越し”させてコストを抑えるか、“売却”する可能性も出てきたようだ。

レッドブル・レーシングはF1で結果も出して分配金も多く獲得し、さらに多くのスポンサーがついて利益を上げている。

しかし、アルファタウリF1はランキングに応じて支払われる分配金も少なく、スポンサーもレッドブル・レーシングに比べて少ない。メインスポンサーのアパレルブランド「アルファタウリ」はレッドブルのグループで、F1活動資金の多くはレッドブル・グループがサポートしている。

■アンドレッティのF1参戦に現実味?

もしチームが売りに出るとしたら、F1新規参入を公にしているアメリカの『アンドレッティ・キャデラック』は真っ先に交渉のテーブルにつくだろう。

11チーム目として参戦を目指すアンドレッティだが、既存10チームにとっては分配金が減る事を意味するため渋られているが、10チームの内1チームのオーナーが変わるということなら反対されることもないだろう。

今年アメリカでは3グランプリ開催(マイアミ、テキサス、ラスベガス)されるが、ハースに続き2つ目のアメリカチームが増えれば、アメリカでのF1人気もさらに高まるのは想像に難くない。

さらに、FIA(国際自動車連盟)にF1参戦を申請中でF2などに参戦しているハイテック・レーシング、ムンバイ・ファルコンズ・レーシングにも可能性がありそうだ。

■ホンダにチャンス?F1チーム参戦はコストに見合う?

そして、マックス・フェルスタッペンの2年連続チャンピオンを支えてきたものの、2026年以降は供給先が見つかっていないホンダが、パワーユニット・サプライヤーではなく、チームとしてF1に復帰する可能性も考えられる。

もちろんチーム運営をすれば年間コストはかかるものの、2023年は予算上限により約184億円〜211億円(1億3500万ドル〜1億5500万ドル)で運営することになっている。以前は予算上限がなかったため600億円もの予算がかかっていたことを考えれば非常にリーズナブルだ。

さらにスポンサーを獲得したり、年間ランキングを上げて高い分配金を手にすれば年間運営コストは劇的に下がる。

そして、ホンダほどの世界的企業であれば、世界各国でそれぞれ数億円〜数十億円のコストを使って宣伝をしているだろうが、F1なら年23週、世界中にブランディングやマーケティングができることを考えれば非常に安いコストと考えられるだろう。

一度はホンダは「カーボンニュートラル」への対応を理由にF1から撤退宣言してしまったが、今もHRCとして事実上継続していて、現時点の技術規則の中では世界一になった。

ホンダの撤退発表後、F1側は2030年までに「カーボンゼロ」を目指すと宣言をして、「100%持続可能な燃料」や、さらなる「電動化」の方針も打ち出した。Netflix効果もありアメリカでのF1人気は急激に高まりを見せており、アウディ、ポルシェ、フォード、GM、ヒョンデがF1参戦意志を表明するなど自動車メーカーにとってF1は魅力的な存在になっている。

ホンダは現パートナーであるスクーデリア・アルファタウリとは良好な関係を築いている。そしてF1チームが売りに出ることはほとんどない。これらの条件を考えればホンダにとっては大きなチャンスと考えられるだろう。

■3年目の角田裕毅はどうなる?

アルファタウリで3シーズン目の角田裕毅は、今年が正念場と言われている。それは、チーム代表のフランツ・トストが「3年は育てる」という信念とその言葉を何度も発しているためだ。

今のところ他チームへの移籍話や引き合いがあるという話が出てこないことも考えれば、角田がF1で走り続けるにはホンダの参戦継続かサポートが必須条件になる可能性は高い。シートを得るためには数億円以上もの多額の資金が必要になると言われているのがF1の世界だ。

もちろん、仮にホンダがいなくてもアルファタウリが残留させたいとオファーを出し、他チームも欲しがるドライバーに成長していることが望ましいが、政治力と桁違いのマネーが動き、世界中の猛者が集まるF1で上位チームに移籍するには、ドライバーとしての実力以外の力も大いに必要になる。

これらを考えれば、ホンダが角田裕毅をバックアップし続ける形が現実的だろう。

■ホンダがF1でブランド力を強化すればもっと強い会社になる

ホンダはF1で歴史と栄光を持ち、世界一のパワーユニットを再び創り上げた高い技術力を持つ企業だ。世界一の技術力を持ったホンダが、もしフェラーリのようにF1チームを継続して運営し、F1に参戦し続ければ、世界中のファンがもっと憧れるようなブランドに成長するポテンシャルを秘めている。

短期的には莫大な資金で株主の反対もあるかもしれないが、ブランディングを意識している海外メーカーがこぞってF1に参戦している現実をみれば、F1はブランディングに最適だということがわかる。

長期的に見れば、F1で育てたブランド力は人をさらに惹きつけ、新しい課題も解決できる優秀な人を集めるのに役立ち、会社を強くし、未来の会社の大きな助けになるだろう。

もし本当にスクーデリア・アルファタウリが売りに出されるなら、ホンダにはそのチャンスを掴んでもらい、「世界一のホンダがF1チームとして復活!」というニュースで世界中にワクワクを届けてもらいたい。

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