レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、今年もドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルの2冠を達成することができると考えているようだ。
2021年にマックス・フェルスタッペンがドライバーズタイトルを獲得したレッドブルだが、昨年はフェルスタッペンがドライバーズタイトル2連覇を果たすとともに、コンストラクターズチャンピオンシップも獲得している。
■昨年のような圧倒的なシーズンは予想できない
もちろん、2023年シーズンに向けてのレッドブルの目標はその両タイトルを防衛することだが、マルコは全22戦中17勝をあげるという圧倒的な強さを誇った昨年のようなわけにはいかないだろうと考えている。
「そう、我々は両方のタイトルを守りたいと思っている」
79歳のマルコはそう語ると、次のように付け加えた。
「だが、2022年のような圧倒的なシーズンになるとは思っていないよ」
■今年の最強ライバルはメルセデス
2022年シーズンのコンストラクターズランキングでは、フェラーリがレッドブルに次ぐ2位、そしてメルセデスが3位だった。だが、マルコは、今年に関してはメルセデスが最強のライバルとなる可能性が高いと考えているようだ。
「チーム体制、ドライバーの個性や資質を考慮に入れれば、メルセデスが我々の最強の敵だ」
マルコは、母国オーストリアの『Krone(クローネ)』にそう語ると、次のように続けた。
「彼らは戦略的に非常に優れていることを過去に証明している。ラッセルは強くなっているし、ハミルトンがポイントを持ち去るのはいいことだよ」
「しかし、フェラーリは信頼性の問題を解決したし、今ではパワーも向上している」
「信頼性による影響がなければ、それによって向上できるパフォーマンスはあるよ」
「しかし、フェラーリに関していろいろささやかれている数値は、間違いなく正しくはないよ」
■風洞時間削減は最高のマシンでカバーできる
一方、レッドブルにとって最大の不安要素は、2021年にバジェットキャップ(チーム予算上限)違反があったと認定されたことで、そのペナルティーとして今年の風洞開発時間が10パーセント削減されていることだろう。
「実験を行う余地などなかったよ」
そう認めたマルコは次のように付け加えた。
「だが、昨年は我々が最高のマシンを手にしていた。だから、予定通りに仕上がった今年のマシンがうまく機能すれば、私はそうなると確信しているが、不安はかなり小さくなるはずだ」