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【ホンダF1】技術者育成と米国でのブランディング、“世界一”のホンダがF1に参戦するメリット・デメリット

2023年02月20日(月)18:59 pm

ホンダは、『HRC Sakura F1 2023シーズン開幕前オンライン取材会』を開催した。

2020年にF1撤退発表をし、21年にF1から撤退したもののドライバーズチャンピオン獲得という有終の美を飾り、22年にはHRCからRBPTへテクニカルパートナーとしてOEM供給という形で活動を継続してダブルチャンピオン獲得。

さらに22年の日本GPから「HONDA」ロゴがF1に復活。25年までレッドブルとアルファタウリに供給を続けることも決まっている。

■ホンダとF1の利害が一致

ホンダがF1から撤退した理由は「カーボン・ニュートラル」に取り組むため人や資金のリソースを振り分けるためだったが、その後、F1が電動化や環境に配慮した燃料など「2030年までにネット・ゼロ・カーボンを達成する」というミッションを発表したことで、ホンダの目指す方向と一致している。

ホンダが撤退を判断したタイミングと、F1が発表したタイミングが前後してズレてしまったものの、F1が方向性を示したことで、これで堂々と「HONDA」としてF1に再参戦する理由ができた。

■技術者育成とブランディング、世界一のホンダが参戦しない理由はない

F1を続けたかったホンダの技術者たちと、本当は辞めたくなかったものの世の中の情勢により辞めるという決断をしなければならなかったホンダ本社。

ホンダはこれまで、F1を若い技術者の育成という伝統の理由から参戦してきたが、資金的な問題などで撤退を繰り返してきた。F1に長期参戦をコミットしなかったために欧州のメーカーのようにブランディングツールとして十分に活用できていなかったが、すでにオール・ホンダの技術者の総力を結集して世界一のパワーユニットを創り上げ、さらにホンダの売上において重要なアメリカ市場においてF1人気が急激に高まっていることも考えれば、若い技術者の育成においてもブランディングやマーケティングにおいても、世界一のホンダがこのままF1に参戦しない理由はないだろう。

苦労をして世界一を味わった技術者が自信を持って働くことで、F1以外の部署に異動してもその能力を発揮すれば、優れた製品が生まれる可能性は高い。

さらに強い状態のまま再参戦すれば、ブランディングやマーケティングにおいても、これまでのように勝つまで待つことなく、強くて優れた「HONDA」をすぐにアピールできる。

両者が「カーボンゼロ」を目指す中、F1に参戦しない場合のメリットより、中長期的に見ればデメリットの方が大きいだろう。

ホンダの今後の交渉に注目したい。

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