レッドブルが新たなF1エンジンレギュレーションが導入される2026年からフォードと手を組むことにした理由は、ホンダが“優柔不断”だったためかもしれない。
そう示唆したのは、オランダ出身の元F1ドライバーであるクリスチャン・アルバースだ。
■今もホンダエンジンで戦うレッドブル
2019年からそれまで長期にエンジンパートナーを務めていたルノーに替えてホンダF1エンジンを搭載したレッドブルだが、ホンダが2021年シーズン限りでF1から撤退することを決めたことから、2022年以降は自分たちでエンジンの製造を行うためにレッドブル・パワートレインズを設立するという決断を行った。
だが、結局のところ、レッドブルはホンダからエンジン供給を受ける契約を2025年まで延長し、レッドブル・パワートレインズでは2026年から実際に自分たちでエンジン製造を行う準備を進めているところだ。
つまり、ホンダは公式にはF1活動から撤退したことになっているものの、実際にレッドブルとそのセカンドチームであるアルファタウリのマシンに搭載されているのはホンダ製エンジンであり、その2チームのF1マシンにも『HONDA』のロゴがしっかりと描かれている。
■ホンダは2026年に正式復帰?
さらに、ホンダは2026年に導入される新エンジンレギュレーションでの製造者登録を行っており、2026年から正式にF1復帰することを目指しているものと考えられている。
こうした背景のもと、今回レッドブルが2026年から実績のあるホンダではなくフォードと手を組むことにしたことを疑問に感じている者も少なくないようだ。
■レッドブルはホンダの姿勢にうんざりしたのだとアルバース
だが、アルバースは、その理由はレッドブルがホンダの優柔不断な姿勢にうんざりしたためだろうと考えている。
「彼らはただ、そういう交渉に疲れてしまったのだと思うよ。ホンダはとても優柔不断だったからね」
かつて、非常に短期ながらケータハムのチーム代表を務めたこともある43歳のアルバースはそう語ると、次のように付け加えた。
「ホンダは撤退すると決めたものの、また戻ってきた。レッドブルはそういうことにうんざりしたんだと思うよ」。