近い将来、F1に新たなチームやメーカーが誕生する可能性が少しずつ大きくなってきているようだ。
2026年には新たなF1エンジンレギュレーションが導入されるが、それに合わせてフォルクスワーゲン傘下のアウディがF1参戦を開始することが決まっている。アウディは現在アルファロメオというチーム名で戦っているスイスのザウバーと提携することも明らかとなっている。
■F1参戦チャンスをうかがうポルシェ
一方、アウディと同じくフォルクスワーゲン傘下のポルシェも2026年からの参戦を計画していたが、レッドブルとの提携交渉に失敗している。現時点では今後ポルシェがどのように動くのかはまだ不透明な状況だが、噂によれば、参戦を諦めたわけではなく、水面下でいくつかのチームと交渉しているようだとも言われている。
レッドブルとポルシェの提携交渉が不調に終わったのは、レッドブル側がポルシェによるチーム支配が強まることを嫌ったためだと考えられている。
■レッドブルはフォードとの提携が濃厚に?
そのレッドブルは、2026年からは自社エンジン製造部門であるレッドブル・パワートレインズで完全に自社エンジンを製造していく計画を進めており、現在のホンダとの提携関係には2025年で終止符が打たれる予定だ。
しかし、最近の噂によれば、レッドブルはアメリカのフォードとの提携を計画しており、レッドブル・パワートレインズで製造されたエンジンにフォードのロゴが付けられる可能性もあるという。
実際のところ、レッドブルとそのセカンドチームであるアルファタウリは、2023年型F1マシンのカラーリング発表をニューヨークで行うことにしており、これもフォードと提携する可能性が高いことを示す証拠だと考えている者もいるようだ。
■アンドレッティとF1参戦を目指すGM
また、少し前にアメリカのアンドレッティ・オートスポーツがGM(ゼネラルモーターズ)傘下のキャデラックを組んでF1参戦を目指すことも明らかとなっている。
しかし、伝えられるところによれば、キャデラックはF1エンジンを自社で開発・製造するのではなく、実際にはルノーからF1エンジン供給を受け、そのエンジンにキャデラックのロゴを付けて戦うことを目指しているものと推測されている。
実際のところ、GMのマーク・ルース社長は次のように語り、当初は既存のF1エンジンメーカーのパワーユニットを使用することで合意に達していることを明らかにしている。
「我々は、始めるにあたり、あるパワーユニットサプライヤーと契約を結んでいる」
「もし進めていく場合は、我々は多くの専門知識を持ち込み、将来に向けた開発も行っていくつもりだ」
そして、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)のモハメド・ベン・スレイエム会長も、キャデラックとGMをF1に迎え入れることを熱望しているようだ。
■新たなF1チームやメーカーの参戦を歓迎するFIA
先週末に行われた2023年モンテカルロ・ラリーの会場において、ベン・スレイエム会長はドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌に次のように語った。
「マイアミでのレース週末に、マリオとマイケルのアンドレッティ親子と話をしたんだ」
「そのとき、我々は非常にはっきりとした答えを出した。我々はメーカーを望んでいる。我々はアンドレッティに、もしも真剣に取り組むつもりならメーカーと一緒に仕事をするようにと言ったよ。我々は彼らを勇気づけ、彼らはそれを実現したんだ」
「GMのようなメーカーに、ノーと言うことなどできないだろう?」
「実際のところ、我々はあと2チーム増やすことができる。それはルールに定められている。もし、彼らが信頼するに足り、ビジネスとしてやっていけるのであれば、新しいチームの参戦を許すべきだよ」
そう語ったベン・スレイエム会長は、含みを持たせるように次のように付け加えた。
「早ければ来週にも、ほかのメーカーが2026年のエンジンレギュレーションにサインするかもしれないよ」。