2022年シーズン限りでフェラーリを去った元チーム代表マッティア・ビノットの後任として、今月9日(月)に昨年までアルファロメオのチーム代表を務めていたフレデリック・バスールが正式にフェラーリの新チーム代表に就任した。
■フェラーリF1のトップ2はフランス人に
優れたエンジニアとして定評があったビノットは、2019年にチーム代表に就任したあとも技術トップも兼任していた。しかし、バスールの場合は自らが技術責任者を務めることはなく、技術部門の責任をより明確にしていくことになるだろうと考えられている。
9日にフェラーリ本部に姿を見せたバスールは、レーシングディレクターを務めるローラン・メキーと顔を合わせていたようだ。そして、バスールもメキーもフランス人であり、イタリアの名門チームであるフェラーリは今後この2人のフランス人を中心として活動を行っていくことになる。
実際のところ、フェラーリがミハエル・シューマッハを擁して黄金時代を築いた時期にチームを率いていたのはやはりフランス人のジャン・トッドであり、再びフランス人リーダーたちが名門フェラーリをタイトルに導けるのかどうかに大きな注目が集まることは間違いない。
■元チーフデザイナーのシモーネ・レスタがフェラーリ復帰か
2023年のフェラーリのトップマネジメントにはもう一つ大きな変化が起こる可能性も指摘されている。
それは、フェラーリと技術提携契約を結んでいるハースにテクニカルディレクターとして派遣されていたシモーネ・レスタが2024年型マシンのチーフデザイナーとしてフェラーリに復帰する可能性が高いと考えられているのだ。
しかし、それ以外には、2023年にフェラーリのトップ人事に大きな動きはないようだ。
ビノットが去ったとはいえ、チームには多くの顔ぶれが残っており、バスール体制となった2023年からすぐにチーム内での役割分担などが大きく変わることはないだろう。
だが、もしも2023年シーズンにも昨年と同じようにチーム内の歯車がうまくかみ合わないような状況が発生したような場合、人事を調整するよりも船を安定させることに重点を置いていたビノットとは異なり、バスールの場合はすぐに人事に手をつける可能性も高いと考えられているようだ。