スペイン出身のフェラーリドライバーであるカルロス・サインツは、2023年F1シーズンには自分たちが2022年の王者であるレッドブルに追い付き、追い抜くチャンスがあると考えているようだ。
■シーズン開幕時の勢いが続かなかった2022年のフェラーリ
フェラーリは2022年の開幕戦バーレーンGPで1-2フィニッシュを決めるとともに、サインツのチームメートであるシャルル・ルクレールが最初の3レースで2勝をあげるという好スタートを切っていた。
一方、2021年のF1チャンピオンであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は第2戦サウジアラビアGPで勝利したものの、開幕戦と第3戦オーストラリアGPではマシントラブルによるリタイアに終わり、この時点ではルクレールに大きなポイントリードを許していた。
そのままフェラーリが勝利を重ね、2007年のキミ・ライコネン以来となるドライバーズタイトル獲得の可能性が高まったと考えられたものの、フェラーリにはその後マシンの信頼性問題や戦略的ミス、ドライバーのミスなどがたびたび発生し、自滅するような形で失速。
逆に、第4戦以降は信頼性問題を解決したレッドブル勢が勝利を重ね、最終的にはフェルスタッペンが2年連続でドライバーズタイトルを手にするともに、2013年以来となるコンストラクターズタイトルも獲得している。
■フェラーリとレッドブルのマシンパフォーマンスに大きな違いはない
しかし、サインツは2022年の経験から今後に向けての手応えをつかんでいるようだ。
28歳のサインツは、フェラーリでの3シーズン目となる2023年シーズンに向けてF1公式サイトに次のように語っている。
「僕たちにはチャンスがあると感じているよ。レッドブルが圧倒的に強かったけれど、明らかにペースが勝っていたから優勢だったわけじゃないんだ」
「マシンの開発や性能の面で、僕たちがそれほど大きく遅れているとは感じていないよ」
「考えてみれば、オースティン(第19戦アメリカGP)では僕がポールポジションを獲得したし、予選で1-2を決めていたんだ。僕たちのマシンは、実際のところレッドブルとそれほどかけ離れてはいないはずだよ」
■もう少しパワーとダウンフォースがあればレースでもレッドブルと戦える
サインツはさらに、フェラーリが2007年以来のドライバーズタイトル、2008年以来のコンストラクターズタイトルを狙うためにはどこに注力する必要があるかという点についても次のように指摘している。
「僕たちが集中する必要があるのは、(2023年の)タイヤを理解し、どうすればレースで速くなれるかを考えることだ。というのも、レースではレッドブルが僕たちよりかなり速いのは明らかだからね」
「戦略やレースの進め方、タイヤマネジメントに関しては、僕たちが次のステップに進みたいと思っているものだし、すでにそれに取り組んでいるところだよ。だけど、純粋なパフォーマンスという点では、僕たちはそれほど離されてはいないよ」
フェルスタッペンとともに2015年にトロロッソ(現アルファタウリ)でF1デビューを飾り、2023年にはF1通算9年目のシーズンを迎えるサインツはそう語ると、次のように付け加えた。
「僕たちにはもう少しパワーを上げて、マシンのダウンフォースを高める必要がある。そうすれば、同じレベルかもっと速く走れるはずなんだ。だから、そうできることを期待しよう」