レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコが、かつて2018年まで所属していたダニエル・リカルドと2023年の契約を結んだのは、セルジオ・ペレスにプレッシャーをかけるためではないと主張した。
■関係悪化が噂されるフェルスタッペンとペレス
2022年F1シーズン終盤に、2年連続でのドライバーズタイトル獲得を決めたマックス・フェルスタッペンと、2021年からそのチームメートを務めているメキシコ出身ドライバーであるペレスとの関係がこじれつつあることが明らかになった。
その直後、レッドブルは2022年シーズン限りでマクラーレンのシートを失ったオーストラリア人ドライバーのリカルドと2023年にサードドライバー契約を結んだことが明らかになった。
このことから、レッドブルは現在ペレスと2024年までの契約を結んでいるものの、それを解除してリカルドを再びフルタイムドライバーとして起用することを考えているのではないかとの噂がささやかれるようになっていた。
そして、その後フェルスタッペンが、ペレスが事実上のナンバー2ドライバーであることを受け入れようとしていないと示唆したこともあって、その噂に拍車がかかった状況となっている。
25歳のオランダ人ドライバーであるフェルスタッペンは、次のように語っていた。
「名指しするつもりはないよ。だけど、自分の役割を受け入れなければならないよ」
■リカルドとの契約は主にマーケティングの観点から
しかし、レッドブル首脳のマルコは、リカルドと契約したのは主にマーケティング的な役割を担ってもらうためだと次のように主張している。
「我々は非常に大きなチームだということを忘れてはならないよ」
「我々はほかのどのチームよりも多くのスポンサーを持っているし、それには多くの義務が伴うんだ」
「それに、我々はアメリカでのマーケットシェアを伸ばしたいと思っているし、リカルド以上にそれをうまくやれる者はいないだろう。彼には満面の笑みがあるし、彼の“シューイ”はあらゆるところで知られているよ」
表彰台の上で自分が履いていた靴にシャンパンを注いで飲み干すというリカルドの有名な儀式に言及しながらそう語ったマルコは、次のように付け加えた。
「彼は経験も豊かだし、マシンをより高いレベルに引き上げることができるんだ。我々は絶対にセルジオにプレッシャーをかけようとしてなどいないよ」
■ペレスは優れているがフェルスタッペンではないとマルコ
マルコはさらに、32歳のペレスはこれまでフェルスタッペンのチームメートとしてうまくやってきていると次のように続けた。
「セルジオは非常に高いレベルでドライブできることを示したと私は思っているよ」
「もしもマックスがいいレースをすることができなくても、そこにはペレスがいる」
だが、マルコは、それでもフェルスタッペンと、ペレスの間には大きな差があるのも事実だと認めている。
「マックスが限界まで攻めることができ、自信があるときには、それはほかの誰かが限界に挑戦するときとは別物なんだ」
そう語った79歳のマルコは、次のように付け加えた。
「ペレスがいるところに我々のクルマがある。そして、ペレスは非常に優れたF1ドライバーだ。しかし、彼はフェルスタッペンではないよ」