2023年にはフェラーリで3年目のシーズンを迎えることになるカルロス・サインツだが、これまでチーム代表を務めていたマッティア・ビノットが2022年シーズン限りでチームを去ったことを残念に思っているようだ。
2022年のフェラーリF1マシンは非常にいいパフォーマンスを発揮したものの、信頼性問題や、戦略ミスなどが多発したことでタイトル争いにからむことはできなかった。
そして、シーズン終了後には、フェラーリがビノットのチーム離脱を発表。もちろん、表向きにはビノットが辞任するとの発表だったものの、それが事実上の更迭であることは誰の目にも明らかだった。
■今のフェラーリがあるのはビノットのおかげ
だが、スペイン出身ドライバーであるサインツは、イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』からビノットのチーム離脱について質問されると次のように答えている。
「最終的にはそれが彼の決断だし、僕にできるのは彼の成功を祈ることだけだよ」
「フェラーリでの最初の2年間、マッティアがいてくれたのが僕にとってはすごく心強かったよ」
「彼は僕の言うことに耳を傾け、僕を信頼してくれていた」
「フェラーリも彼のおかげで以前よりもいい位置にいるんだ」
■バスール加入によりルクレール優先姿勢が強まる?
ビノットの更迭をめぐってささやかれた噂の中には、ビノットはフェラーリの事実上のナンバー1ドライバーだと考えられているモナコ出身ドライバーのシャルル・ルクレールよりもサインツとの関係の方がうまくいっており、それを快く思わなかったルクレール陣営がフェラーリ会長のジョン・エルカーンに働きかけてビノットを追い出したのだというものもあった。
そして、フェラーリはビノットの後任として、2017年7月からフェラーリエンジンを搭載するザウバー(アルファロメオ)を率いていたフランス出身のフレデリック・バスールを新チーム代表に据えることになっている。
そのバスール率いるザウバーで2018年にF1デビューを飾ったのがルクレールだが、ルクレールはGP3時代にバスールが運営していたARTグランプリに所属していたことがある。さらに、そのルクレールのマネジャーを務めるニコラ・トッドは、かつてバスールのビジネスパートナーでもあった。
そうしたことから、バスール加入以後は、フェラーリがルクレールをより優先する方向に向かっていくだろうと考える者もいる。
■バスールとルクレールの関係はチームにとっていいことだとサインツ
すでにルクレールとかなり太いパイプがあるバスールが2023年1月9日付けで正式にフェラーリの新チーム代表兼マネジメントディレクターに就任することをどう思うかと質問されたサインツは、次のように答えている。
「僕は彼とうまくやっていけると思うし、彼も仕事をしている僕を見たら満足してくれると思う」
「彼とシャルルの関係も、チームにとってはいいことだと僕は思っているよ。それによって、彼がチーム内でよりくつろげるようになるからね」