元F1ドライバーであり、最近ではDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)の責任者を務めていたゲルハルト・ベルガーが、2026年から正式にF1活動を開始するアウディのプロジェクトに加わるのではないかとの噂がささやかれている。
■2026年のF1参戦に向けてザウバーでの準備を進めるアウディ
アウディは、現在アルファロメオというチーム名称でF1にエントリーしているザウバーと提携することになっており、2026年からは自らのワークスチームを擁してF1を戦うことになっている。
スイスに本部を構えるザウバーは、2023年からフェラーリのチーム代表になることが決まったフレデリック・バスールの後任として、すでに2022年までマクラーレンのチーム代表を務めていたアンドレアス・ザイドルを新たなCEOに迎えている。
ザイドルは、アウディ同様にフォルクスワーゲン傘下にあるポルシェでかつてWEC(世界耐久選手権)プロジェクトを率いていた人物だ。
2023年シーズンをもってアルファロメオとの提携契約が解消されることになっているザウバーは、現在ザイドルとともに新チーム代表の選任を進めているところだ。
■ベルガーがニキ・ラウダのような形でアウディに関与?
そして、最近、そのチーム代表候補のひとりにベルガーの名前もあげられていた。
しかし、フェラーリの新チーム代表候補だとも噂されていたベルガーは、自分はもうモータースポーツの世界にフルタイムで復帰するつもりはないと主張している。
だが、イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』によれば、ベルガーがかつてメルセデスの非常勤会長を務めていたニキ・ラウダのような形でアウディのF1プロジェクトに関わる可能性もあるという。
「このオーストリア人(ベルガー)は、世界選手権のための経営能力とカリスマ性を持っている」
フォルクスワーゲン関係者のコメントを引用しながらそう報じた『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は、次のように付け加えている。
「仮説としては、メルセデスにいたラウダのように、彼がスーパーコンサルタントになるかもしれない」
フェラーリで2度、マクラーレンで1度と、合計3度F1チャンピオンとなった実績を持つラウダは、2012年9月にメルセデスの非常勤会長に就任。当時マクラーレンに所属していたルイス・ハミルトンを引き抜き、2014年から8年連続でコンストラクターズチャンピオンに輝いたメルセデス黄金時代の礎を築くことに大きな貢献を果たした。
航空会社の経営など、F1活動と並行してビジネスマンとしても活躍したラウダだが、2019年5月に70歳でこの世を去っている。
かつてトロロッソ(現アルファタウリ)の共同オーナーを務めていたこともある現在63歳のベルガーが、アウディの一員としてF1の舞台に戻ってくることになれば大きな話題となるのは間違いないだろう。