F1が新たなエンジンレギュレーションを導入する2026年に、ホンダが本格的に復帰する可能性が出てきたようだ。
ホンダは、公式にはマックス・フェルスタッペンがF1チャンピオンに輝いた2021年シーズンをもってF1活動から撤退したことになっている。
しかし、その後もHRC(株式会社ホンダ・レーシング)が技術サポートを継続しており、今季はRBPT(レッドブル・パワートレインズ)というブランド名で登録されているものの、レッドブルとそのセカンドチームであるアルファタウリのマシンに搭載されているエンジンは実際のところホンダが製造しているものだ。
さらに、レッドブルが2026年からのF1参戦を目指していたポルシェと行っていた交渉が決裂したこともあってか、2022年のF1第18戦日本GP以降は、レッドブルとアルファタウリのマシンには再び『HONDA』のロゴが復活している。
■2026年以降のF1エンジン製造者登録を行ったホンダ
そして、ホンダは12日(月)に行われた『2023年 HONDAモータースポーツ活動計画発表会』において、2023年も引き続き『HONDA』のロゴがその2チームのマシンに施されることを明らかにしている。
さらに、その発表会において、ホンダが2026年に導入される新たなエンジンレギュレーションにおける製造者登録を行ったことも明らかになっている。
フランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』は、HRCの渡辺康治社長が次のように語ったと報じている。
「2026年から導入されるF1レギュレーションは、カーボンニュートラルの方向に向かっていきます」
「さらに、電動化が推進されるという事実と、カーボンニュートラルとともに電動化も視野に入れているホンダブランドの方向性はぴったりと一致します」
「我々はモータースポーツ企業として、自分たちの研究を継続するためにエンジンメーカーとして登録したのです」
■ホンダのパートナーはレッドブル以外に?
このことから、ホンダが2026年に正式にエンジンサプライヤーとして復帰する可能性がかなり濃厚になったと考えているF1関係者やメディアが多いようだ。
だが、もしそのホンダのF1復帰が実現するとしても、手を組む相手がレッドブルだとは限らないようだ。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、これについて次のように報じている。
「しかし、日本人たち(ホンダ)は、もはやレッドブルとの提携は望んでいない」
「まだ正式な復帰は発表されていないが、ホンダは新たなチームを探しているところだ。しかし、彼らはすでにその足掛かりを得ている」
■レッドブルのパートナー候補にはフォードの名前も
実際のところ、ホンダの撤退に伴って自らのF1エンジン製造部門であるレッドブル・パワートレインズを立ち上げたレッドブルは、2026年以降は基本的に自社製造エンジンで戦っていく方針だと主張している。
レッドブルはエンジン部門のためにライバルチームなどから優秀な人材を数多く引き抜いており、すでに試作エンジンのベンチテストなども開始されているという。
2025年までは準備期間としてホンダとの提携を継続するとしても、レッドブル・パワートレインズへの投資を無駄にする形で2026年以降もホンダのエンジンを載せ続けるとは考えにくい面もあるだろう。
こうした中、最近の噂によれば、レッドブルはフォードと資金面やマーケティング面において提携する可能性もあるという。
なぜフォードの噂が出てきたのだろうか?それはF1での実績があることと、アメリカでのF1人気が関係しているかもしれない。ドリンクメーカーのレッドブルがアメリカをマーケティング面で重要視していることは周知の事実だ。