F1の「ペナルティーポイント」制度を見直すための協議がすでに開始されているようだ。
現在のルールでは、過去1年以内に受けたペナルティーポイントが合計12ポイントに達すると、そのドライバーは次のレースへの出走が禁止されることになっている。
■1レースの出走禁止危機に瀕しているガスリー
そして、現時点において、最も多くのペナルティーポイントを受けているのがピエール・ガスリー(アルファタウリ)だ。
現時点で累積10ポイントに達しているガスリーだが、その中で一番古いものは今年の5月22日に決勝が行われた第6戦スペインGPで受けた2ポイントだ。つまり、ガスリーは今年の残り2戦と、2023年の5月21日に決勝が予定されている第7戦エミリア・ロマーニャGPまでの7戦を加えた合計9レース中にあと2ポイントが科されると、1レースの出走禁止が申し渡されることになる。
ガスリーは、2023年にはアルピーヌに移籍することになっているが、アルピーヌのチーム代表を務めるオットマー・サフナウアーも、ガスリーには注意が必要だと警鐘を鳴らしている。
26歳のフランス人ドライバーであるガスリーは、こうした状況について今週末に第21戦ブラジルGP(サンパウロGP)が開催されるインテルラゴス・サーキットで木曜日(10日)に次のように語った。
「僕は嘘をつくつもりはないよ。とても不愉快な状況だし、かなりデリケートな問題だね。ある意味、レース出場禁止処分を受けるかもしれないという立場に立っていることには、少しばかり当惑しているよ。この12か月間、僕は特に危険なことをしたとは思っていないからね」
■トラックリミット違反でのペナルティーポイントはおかしいとアルボン
だが、F1ドライバーの中には、必ずしも“危険”ではない違反行為に対してレース出場禁止という罰則をちらつかせるのはフェアではないという意見を持つ者も多いようだ。
例えば、ウィリアムズのアレクサンダー・アルボンは次のように語っている。
「僕の3ポイントに関してはトラックリミット違反によるものなんだ」
「あの状況では、ほかのドライバーも自分も危険にさらしてなどいないよ」
イギリス生まれのタイ国籍ドライバーである26歳のアルボンは、この問題に関してはすでに水面下で話し合いが行われていると明かしている。
「僕たちは議論しているし、今後変わると思っている」
「僕たちの中に危険なドライバーがいるとは思っていないよ」とアルボンは主張した。
■今後このルールは修正されるだろうとボッタス
また、アルファロメオのバルテリ・ボッタスも、「いい話し合い」がすでに行われていることを認めている。
その内容に関しては「まだ内々に留めておいた方がいいだろう」とした33歳のフィンランド人ドライバーは、次のように続けた。
「だけど、僕の理解では、今後いくつかの変更が加えられるだろうね」
「本当に危険で、コース上で自分自身やほかの誰かに危害を加える可能性がある場合にのみ、ポイントを与えるべきだと僕は思うよ」
■角田も今季残り2戦をペナルティーなしで乗り切ることが重要
なお、現時点で最も多くのペナルティーポイントが与えられているのはガスリーの10ポイントだが、2番手は同じアルファタウリの角田裕毅の8ポイントだ。
だが、角田の場合は昨年の11月14日に決勝が行われたブラジルと12月5日に決勝が行われたサウジアラビアでそれぞれ2ポイントずつが科されており、今季の残り2レースを無事に乗り切ることができれば、2023年シーズンは累積4ポイントからスタートすることができることになる。