ダニエル・リカルド(マクラーレン)が、はっきりと「来年はF1グリッドにつくことはない」と認めた。
F1で通算8勝をあげた実績を持つオーストラリア出身のリカルドだが、2022年シーズンいっぱいで現在所属しているマクラーレンのシートを失うことが確定している。
実際のところ、現時点においてレッドブルのセカンドチームであるアルファタウリとコンストラクターズランキング8位争いをしているハースから2023年のレースシートに関する話し合いの申し出があったものの、33歳のリカルドはそれを断ったと伝えられている。
リカルドとしては、上位争いができないチームで走るよりも、2023年はトップチームのリザーブドライバーとして過ごし、2024年に向けてもっとよいチャンスを探った方がよいと考えているようだ。
■2024年に向けて野心的な目標があるとリカルド
リカルドは、今季のF1第20戦メキシコGPが開催された先週末のエルマノス・ロドリゲス・サーキットで次のように語った。
「来年、僕がスターティンググリッドにつくことはないよ。だけど、2024年に向けて野心的な目標があるからここにいるつもりだよ」
■リカルドの交渉チームはメルセデスとレッドブル?
リカルドに関しては、来年はアルファタウリのフルタイムドライバーを務めることになるニック・デ・フリースに代わってメルセデスのリザーブドライバーになる可能性が高いと言われていた。
しかし、最近では、かつて2018年まで所属していたレッドブルとの間でも2023年のリザーブドライバー契約について交渉しているようだとのうわさもささやかれている。
「話し合いは続いているけれど、まだ何もサインしていないよ」
そう語ったリカルドは次のように付け加えている。
「2024年に向けて保証されているものは何もないよ。だけど、復帰できるよう全力を尽くすつもりさ」
■リカルドとの交渉を認めたメルセデス「まだ決めてはいない」
メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフはリカルドと交渉していることを認めている。
だが、ヴォルフは、リカルドが交渉しているのはメルセデスとだけではなく「レッドブル・レーシングともね」と語り、次のように続けた。
「我々にとって、彼は素晴らしいキャラクターだと思う。だが、来シーズンのサードドライバーを誰にするかを言える段階にはまだないんだ」
「彼の個性は絶対的な強みだよ。それに、ダニエルは長い間一緒にやってきているから、このマシンのことを知り尽くしている」
「それは間違いなくアドバンテージになり得るよ」
「だが、私はここでうわさを立てたいとは思わないんだ。実のところ、我々はまだ決めていないからね」
■リカルドとのクラッシュでリタイアした角田は怒りを隠せず
リカルドは先週末のメキシコGP決勝を11番グリッドからスタートして7位でフィニッシュ。レース中に果敢な走りを見せたことでファン投票による“ドライバー・オブ・ザ・デー”に選出されている。
その一方で、リカルドとのクラッシュによってメキシコGP決勝をリタイアで終えてしまった角田裕毅(アルファタウリ)は、次のようにリカルドを非難している。
「あれほど経験豊富なドライバーが、基本的にオーバーテイクが不可能なコーナーで追い抜こうとするなんて、すごく不愉快です」