先週末のメキシコで、ミック・シューマッハのハースでの運命が決まったかもしれない。
●【2022F1第20戦メキシコシティGP】決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
■アメリカに続きメキシコもノーポイントで終えたシューマッハ
今季のF1第19戦アメリカGPを迎える前に、ハースのオーナーであるジーン・ハースは、シューマッハが2023年もシートを確保するためには、これからのレースでポイントを獲得することが必要だと語っていた。
しかし、ハースにとってのホームレースであったアメリカGPでポイントを獲得できなかったシューマッハは、先週末に行われたメキシコGPでもポイント獲得に失敗してしまった。
ポイント獲得の可能性を高めるためにメキシコGP予選でQ2進出を目指していた23歳のシューマッハだが、大事なところでコーナーをカットするミスを犯してしまい、Q1を突破することができなかった。
そのことについてチーム代表のギュンター・シュタイナーから何か言われたかと尋ねられたシューマッハは次のように答えている。
■シューマッハに速さはあるが課題はミスをなくすこと
「彼は僕が速かったのはわかっていたし、それは残念だったと言っていたよ」
シューマッハの叔父である元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、母国ドイツのテレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』に次のように語った
「自分には速さがあったというミックには私も同意せざるを得ない」
「しかし、実際のところ、あのようなミスは起こしてはならないんだ。ハミルトンにすら起こったことではあるが、それは言い訳にはならないよ。これは学習の過程だが、彼は素早く学ばなければならない」
「彼はチームメートとの比較では違う世界にいた。だが、それだけでもチームの決断を難しくしているよ」
そう語った47歳のラルフ・シューマッハは次のように付け加えた。
「チームは彼に頼っているんだ。特に彼のペースにね」
■ハースはすでにヒュルケンベルグとの契約を決断?
こうした中、最新のうわさによれば、ハースではシューマッハの後任として、現在アストンマーティンのリザーブドライバーを務めているベテランドライバーのニコ・ヒュルケンベルグを2023年に起用することを決めた可能性もあるようだ。
そして、ハースは来週末に開催される第21戦ブラジルGP(11月13日決勝)の直前に、ヒュルケンベルグとの契約を発表するのではないかとも考えられている。
■ジョビナッツィのF1キャリアはアメリカGPが最後か
一方、フェラーリの支援を受け、アメリカGPで金曜フリー走行1回目にハースから出走するチャンスが与えられたアントニオ・ジョビナッツィだが、そのセッションの開始早々にクラッシュを演じたこともあって完全に候補から外れたと考えられている。
伝えられるところによれば、ジョビナッツィのF1キャリアはこれでほぼ完全に終わり、今後はフェラーリのファクトリーチームでWEC(世界耐久選手権)に参戦することになると見られている。
■まだ100パーセント決まったわけではないとシュタイナー
メキシコで2023年のドライバー体制について質問されたシュタイナーは次のように答えた。
「決断を下すことになるだろう。できれば、近いうちにね。だが、まだ100パーセント決まったわけじゃないんだ」
「今、この問題を片付けるための最後の整理をしているところだ。そして、それから決定することになるだろう」
そう語ったシュタイナーは、次のように付け加えた。
「これはチームにとって重要な決断だし、よりよいものを得るために集中する時間は十分にあるよ」。