F1第20戦メキシコGPを前に、FIA(国際自動車連盟)とアストンマーティンは、2021年財務規則(ファイナンシャル・ルール)に対する手続き上の違反を受け、ABA(Accepted Breach Agreement=違反承認合意書)を締結したと発表した。
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F1全10チームによる財務書類の提出後、コストキャップ管理局が財務規則に基づく審査を行い、アストンマーティンは「2021年の報告期間中に支出した費用は予算上限以下であった」ものの、手続き上の規則違反があることが判明した。
■アストンマーティンの違反内容とは
アストンマーティンは、新本社ビル、新F1シミュレーター、風洞費、研究開発税額控除、契約ボーナス費用、譲渡可能部品の使用、中古在庫、サービスデスク費用、本社でのケータリングサービス費用、机・椅子費用、スポンサーサービス、外部委託人材サービスに関する費用を“誤って除外および/または調整”したことが判明したという。
要するに、支出した予算はオーバーしていなかったのに、間違えて申告しなかったというものだ。
チームはこのABA締結日から30日以内に45万ドル(約6,650万円)の罰金を支払うとともに、コストキャップ管理局が負担した費用(調査費用など諸経費)を負担しなければならない。
■アストンマーティンの審査に対する姿勢は評価
FIAは金曜日、メキシコシティで以下のように発表した。
「コストキャップ管理局は、アストンマーティン・レーシングが審査プロセスを通じて協力的かつ誠実に行動し、追加情報や証拠の提出を求められた際には適時に提供するよう努めたこと、今年は財務規則が完全に適用される最初の年であり、違反の結果としてアストンマーティン・レーシングが不当な利益を求めたり得たりしたという非難や証拠はないことを認識している」。
チームが合意したABA条項に違反した場合、さらなる手続き上の違反が発生し、自動的にコストキャップ裁定委員会に付託されることになる。
今年6月、ウィリアムズは、財務規則に対する手続き上の違反が見つかった最初のチームとなり、25,000ドル(約370万円)の罰金を課せられていた。