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【レッドブルF1】2021年バジェットキャップ違反問題、最大の争点はエイドリアン・ニューウェイの報酬?

2022年10月18日(火)22:31 pm

F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が、2021年にレッドブルがバジェットキャップ(チーム予算上限)ルールに違反していたと認定したが、そのスキャンダルの中心にいるのがチーフテクニカルオフィサーを務めるエイドリアン・ニューウェイだと報じられている。

■注目が集まるレッドブルへのペナルティ

FIAは、レッドブルが1億4500万ドル(現在のレートで約216億円)と定められていた2021年のチーム予算上限を“軽度”に違反したと判断し、現在、それに相応しいペナルティを検討しているところだ。

F1関係者の中には、“軽度”の違反であることを考えれば、レッドブルには罰金が科されるだけだろうと考えている者もいる。

しかし、イタリアの『La Repubblica(レプブリカ)』は、これに関して次のように報じている。

「ペナルティは今後明らかになる。しかし、罰金では違反に対する抑止力にはならないだろう」

ライバルチームであるメルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフも、この問題は罰金で済まされるようなものではないとスペインの『Marca(マルカ)』に次のように主張している。

「500万ドルも(約7億4400万円)余計に使えば、どうやらそれは軽微な違反らしいが、それでも選手権には大きな影響を及ぼすよ」

「たとえレッドブルが200万ドル(約3億円)多く使っていたとしても、FIAにその5倍の金額を払ってもそれで問題を解決することはできないね」

■レッドブルは“不正行為”を働いたのだとマクラーレンのボス

今週、マクラーレン・レーシングのCEOを務めるザック・ブラウンが、FIA会長のモハメド・ベン・スレイエムに宛てた手紙が流出したが、ブラウンはその手紙の中で、レッドブルが2021年のタイトル獲得に向けて予算上限を超えるという“不正行為”を行ったと非難している。

レッドブルのバジェットッキャップ違反にはさまざまな反応があるが、ライバルF1チームの代表として、レッドブルが意図的に“不正”を働いたと批判したのはブラウンが初めてだ。

「支出超過違反、そして手続き上の違反は、技術、競技、財務の各レギュレーション全てにおいて大きな優位性を提供する不正行為にあたるものだ」

「我々は、金銭的なペナルティだけでは、過大な支出違反や重大な手続き上の違反に対する適切なペナルティになるとは思っていない」

ベン・スレイエムに宛てた手紙の中でそう主張したブラウンは、金銭的ペナルティに加え、レッドブルの2023年の予算上限を減らし、風洞とCFD(コンピュータによる空力シミュレーション手法)の時間を20パーセント削減することを提案している。

■最大の争点はエイドリアン・ニューウェイの契約形態か

一方、レッドブルの支出オーバーに関しては、ケータリングや病欠手当などの細かい金銭的な事柄に関連しているといううわさもあった。だが、最近の報道では、最大の争点は最高技術責任者のニューウェイの報酬だと考えられているようだ。

この問題に関しては、当初、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が取り上げていた。だが、最近になってオランダの放送局『Ziggo Sport(ジッホ・スポルト)』も、レッドブルの違反は「エイドリアン・ニューウェイに関係するものだ」と報じている。

「ニューウェイはチームの中でも高給取りのひとりだが、彼がレッドブルの従業員なのか、それともエイドリアンの会社との契約なのかについては議論がある」

「レッドブルは、彼がチームのために直接働いており、規則によれば、彼は支出制限に含まれないと主張している」

そう報じた『Ziggo Sport(ジッホ・スポルト)』は次のように付け加えている。

「FIAはその主張には同意していない。彼(ニューウェイ)は自分の会社を通して関与しており、それは彼が制限の例外に該当しないことを意味するものだからだ」

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