2017年に有名なダカールラリーの『Quad』(4輪バイク)カテゴリーで優勝した実績を持つロシア人ドライバーのセルゲイ・カリヤキンが、FIA(国際自動車連盟)に対し、ロシア人ドライバーの参加を阻むハードルを撤廃するよう訴えている。
■ロシア人ドライバーに“プーチン非難文書”への署名を求めているFIA
現在31歳のカリヤキンは、母国ロシアの『Tass(タス通信)』に対し、FIAのモハメド・ベン・スレイエム会長に個人的に手紙を出したことを明かしている。
現在、FIA(国際自動車連盟)ではその公認レースにロシア人が参加する場合には、ウクライナ紛争をめぐるウラジーミル・プーチン大統領の行動を非難する文書に署名することを求めている。
実際のところ、9月には、ダカールラリーで優れた実績を持つロシアチームであるカマズ・マスターが、FIAの文書に署名することを拒否したことを発表している。
そして、カリヤキンは、ロシア人ドライバーに対して義務づけているこの手続きを廃止するようFIAに求めているのだ。
■FIA会長も元アスリートだからわかるはず
「13日(木)に、FIAの会長に直接手紙を書いたんだ」
そう語ったカリヤキンは次のように続けた。
「僕は彼に、ロシア人ドライバーに対して特別な書類にサインするよう求めるのを取り消すよう要請したんだ。これはFIAの倫理規定に反していることを強調おきたいと思う。僕たちはまだ法的文書の読み方を知っているよ」
「彼(ベン・スレイエム)は元アスリートだし、スポーツに半生を捧げることがどういうことか、政治的理由でアスリートが競技から除外されるのがどういうことなのかわかっているはずだと書いたんだ」
「彼がなんと答えるのか、様子を見ることにしよう」
カリヤキンは、もしベン・スレイエムからの答えが自分の意に沿うものでなかった場合には、12月からサウジアラビアで開催される2023年のダカールラリーを欠場することになるだろうと語り、次のように付け加えた。
「僕は人生における明白な指針を持っているし、祖国に逆らうことは完全に間違っているからね」。