F1日本GPで発生した“非常に危険な状況”について、ピエール・ガスリー(アルファタウリ)は責任の一端を負っている。
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■ガスリー激怒「2メートル左だったら僕は死んでいた」
鈴鹿サーキットでクラッシュしたカルロス・サインツのフェラーリを回収するために、まだクルマが走っているにもかかわらず、大型クレーン車両がコース内に進入してきたため、フランス人ドライバーや多くのF1ドライバーはFIA(国際自動車連盟)に対して激怒している。
「2メートル左だったら、僕は死んでいたかもしれない」とガスリーは語った。
■ガスリーに批判も「赤旗の中を時速250kmで走るなんて」
しかし、すぐにアルファタウリのドライバー本人に矛先を向ける者もいた。
「ガスリーは何をしているんだ?」ベテランの『Blick(ブリック)』特派員ロジャー・ブノワは言った。「赤旗の中を時速250kmで走るなんて」
実際、F1の運営団体でさえ、鈴鹿のスチュワードが「速すぎたと認めた」ガスリーに20秒のペナルティ(さらに2ペナルティポイント加算=12カ月累計9ポイント)を課している。
スポーティングレギュレーションには、赤旗が出された場合は「全車は直ちに速度を落とし、ゆっくりとピットレーンまで戻らなければならない」とされている。
これは最近決まったルールではなく、昔からのモータースポーツの常識であり、基本を守れなかったガスリーには弁解の余地はないだろう。まずはどんな状況でもすぐに止まれるほどの「ゆっくり」とした速度に落とさなければならなかった。
■元F1ドライバー「両者とも自問自答すべし」
「ドライバーからの批判は理解できる」と、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、サーキットに回収車がいたことに対する怒りについて語った。
「しかし、あの時、時速250kmで集団を追ったガスリーを正当化するものではない。スマートとは言い難い。両者とも自問自答する必要があると思う」。
■故ビアンキの父、FIAを非難「ジュールに対する敬意はないのか?」
しかし、故ジュール・ビアンキの父フィリップは、ガスリーが回収車両を追い越す際にスピードを出しすぎたと示唆したFIAを非難した。
「あれは笑い話だ」2014年に鈴鹿で同様の回収車両に衝突して息子が亡くなったフィリップは、『RMC』に次のように語っている。「彼らはジュールにも同じことを言ったはずだ」
「私は『ジュールに対する敬意はどこにあるんだ』と自分に言い聞かせているんだ。ドライバーたちは大砲の餌じゃないんだ。命令を正当化するものは何もない」。