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コルトン・ハータのF1スーパーライセンス取得を断念したレッドブル デ・フリースとの交渉も明らかに

2022年09月19日(月)20:58 pm

レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、インディカーで活躍するコルトン・ハータを2023年にセカンドチームのアルファタウリでF1デビューさせる計画を断念したことを認めた。

■ガスリーの後任としてハータ起用を目指していたレッドブル

現在アルファタウリで走っているフランス人ドライバーのピエール・ガスリーは、かつて2019年シーズン前半にドライバーを務めたことがあるトップチームのレッドブルに復帰することを目標としていた。

だが、レッドブルがセルジオ・ペレスとの契約を2024年まで延長したことから、ガスリーはレッドブルと決別し、ほかのチームで新たな挑戦をしたいと気持ちを切り替えたようだ。だが、ガスリーのレッドブルとの契約は2023年まで残っており、アルファタウリは来季もガスリーがドライバーを務めることを正式に発表している。

ところが、ルノーのワークスF1チームであるアルピーヌに所属するフェルナンド・アロンソが2023年にアストンマーティンへの移籍を決め、さらにその後任として期待されていた2021年のF2チャンピオンであるオスカー・ピアストリもマクラーレンと契約したことが明らかとなり、アルピーヌは来季ガスリーを獲得し、同じフランス人ドライバーのエステバン・オコンとコンビを組ませたいと考えている。

こうした中、レッドブルではハータを来季アルファタウリでF1デビューさせることが可能となれば、ガスリーとの契約を早期解除してアルピーヌへの移籍を認めてもいいとしていた。

しかし、ハータはFIA(F1統括団体の国際自動車連盟)がF1出走に必要なスーパーライセンス発給の条件としているスーパーライセンスポイント(40ポイント)に現時点では8ポイント不足しており、現時点ではF1出走が認められないことになっている。

このため、レッドブルはハータをアルピーヌのプライベートテスト参加させることでF1マシンへの対応も十分に可能だということを示す計画を立て、FIAに特例的にハータへのスーパーライセンス発給を認めるよう働きかけていた。

■ハータのF1スーパーラーセンス発給は実現せず

だが、FIAがハータに対して一切の特例を認めるつもりはないことを明らかにしたことから、レッドブルもハータを2023年にF1デビューさせる計画を断念せざるを得なかったようだ。

マルコは、ドイツ『Auto Bild(アウト・ビルト)』に次のように語った。

「我々はハータなしで進めているところだ」

「FIAがF1におけるアメリカ人ドライバーの価値を認めなかったのは残念だよ。とりわけ、成長著しいアメリカ市場で3つのF1レースが開催されるだけにね」

レッドブルがハータの起用を断念したということは、2023年にガスリーがアルピーヌへ移籍する可能性も消えたと考えられそうだ。

だが、マルコは、アルピーヌへの移籍を望むガスリーのために、ほかの可能性を探っているのかもしれない。

マルコは、「アルピーヌとの交渉は難しい」と認めながらも、レッドブルは来年に向けて「どんな可能性があるのか」をまだ模索しているところだと付け加えている。

■デ・フリースが新たなアルファタウリの候補ドライバーに?

こうした中、モンツァ・サーキットで行われた今季のF1第16戦イタリアGPでアレクサンダー・アルボンの代役として急遽F1デビューを飾り、非常に印象的なパフォーマンスを見せたオランダ人ドライバーのニック・デ・フリースが、16日(金)にオーストリアのグラーツでマルコと会っていたことが明らかとなった。

つまり、もし2023年にアルファタウリがデ・フリースを確保できれば、ガスリーがアルピーヌへ移籍するチャンスもまだあるということだ。

フランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』から、マルコとの会談について質問を受けた27歳のデ・フリースは次のようにジョークで返している。

「僕たちはシュニッツェル(オーストリアの肉料理)について話したんだ」

■複数チームとの交渉を認めたデ・フリース

2019年のF2チャンピオンであり、2020-2021年シーズンにはフォーミュラEのチャンピオンとなった実績を持つデ・フリースは、現時点では2023年に向けてウィリアムズのドライバー候補だと考えられているほか、ハンガリーで行われるアルピーヌのプライベートテストにも参加する予定となっており、アルピーヌのシートを得る可能性も残されている。

「うん、すべて本当だよ」

母国オランダの放送局『RTL4』にそう語ったデ・フリースは次のように続けた。

「僕たちは7月からアルピーヌと交渉しているし、僕がオーストリアでマルコ博士と今後の見通しについて話し合ったことはすでに報道されている通りだよ」

「もちろん、ウィリアムズとは長い間話をしてきたし、僕はあそこでデビューすることができたのだから、それは論理的なステップになるだろうね。だけど、本当に僕がチームを選べるような状況にあるのかどうかはわからないよ」

「自分のコントロールが及ばない部分が大きいし、この世界ではすべてがパフォーマンスで決まるわけではないからね。 でも、幸いなことに今は少し勢いがあるし、グリッドにも余地がある」

そう語ったデ・フリースは、次のように付け加えた。

「だから、チャンスはあるけれど、保証は何もないってところだね」。

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