ダニエル・リカルド(マクラーレン)が、2023年にはどこかのF1チームでリザーブドライバーを務めることも選択肢のひとつだと認めた。
マクラーレンとの契約が今シーズン限りで解除されることになったリカルドだが、現時点では2023年にほかのチームのシートを確保するのはかなり困難な状況だと考えられている。
そして、オーストラリア出身ドライバーである33歳のリカルドは最近、2023年はF1で走ることをあきらめ、2024年以降のシート獲得を目指すことになる可能性もあると認めている。
しかし、リカルドは、単純にF1から離れるのではなく、どこかのチームのリザーブドライバーを務めながら、F1復帰のチャンスをうかがうことも視野にいれているようだ。
■ここまでのリカルドのF1での歩みは?
2008年からレッドブルのジュニアドライバープログラムに加わったリカルドは、2011年のF1第9戦イギリスGPでF1デビューを飾ると、翌2012年にはセカンドチームのトロロッソ(現アルファタウリ)のフルタイムシートを獲得。そして2014年には引退したマーク・ウェバーの後任としてレッドブルに昇格。前年まで4年連続F1チャンピオンとなったチームメートのセバスチャン・ベッテルを上回る成績を残した。
レッドブル時代に通算7勝をあげたリカルドは、2019年にはルノー(現アルピーヌ)に移籍。そして2021年にはマクラーレンへと移った。マクラーレンでは2021年の第14戦イタリアGPで自身通算8勝目をあげたものの、それ以外のレースでは自分より10歳年下のチームメートであるランド・ノリスに後れをとることが多く、マクラーレンは今季いっぱいでリカルドを放出し、2023年にはその後任として同じオーストラリア出身の若手ドライバーであるオスカー・ピアストリの起用を決定している。
今後のことについて質問を受けたリカルドは、次のように語った。
■リザーブドライバーの話にも耳を傾ける
「どんなシナリオでも受け入れる用意はあるよ」
「休みをとることにはいい面もある。でも、そのときにアクティブでいることもいいことだ。だから、あらゆることに耳を傾けたいと思っている」
「たとえそれがリザーブの話でもね。それはプライドが許さないなどと言うつもりはないよ」
■F1がどういうものかは知っているしピアストリに恨みはない
実際のところ、マクラーレンはリカルドとの契約解除が合意に至る前に、すでに7月初旬に2021年のF2チャンピオンである21歳のオスカー・ピアストリと2023年の契約を結んでいたことが明らかとなっている。
リカルドは、現在ピアストリのマネジャーを務めている先輩ドライバーのウェバーと今季の第15戦オランダGPが開催されたザントフォールトで会ったことを認めている。リカルドによれば、ウェバーは今回の騒動について謝罪したという。
「もちろん、僕もこのスポーツがどういうものかは知っている。僕は恨みなど抱いていないよ」
そう語ったリカルドは、次のように付け加えた。
「彼は僕がそれを分かっており、理解しているかどうか、そして僕が大丈夫かどうかを確認したかったんだ」
リカルドはさらに、ピアストリ本人とも話をし、彼のことを悪く思ったりはしていないことを告げるとともに「F1でいい走りを見せてほしい」と伝えたと明かしている。
■来年は少し忍耐が必要な年になるかもしれない
しかし、実際のところ、2023年にフルタイムシートを確保できず、どこかのチームのリザーブドライバーを務めることになった場合、再びF1の第一線に戻ってこられる保証はない。それどころか、現在アストンマーティンのリザーブドライバーを務めているニコ・ヒュルケンベルグと同じような状況に陥る可能性の方が高いと考えている者もいるようだ。
しかし、リカルドはここでF1キャリアを終わらせてしまうつもりはないようだ。
「僕にはまだプロジェクトを大いに楽しむ能力があるし、僕は間違いなくそのことを考えていくよ」
「将来に向けて、より良い準備をすることもできるだろうし、来年はそういう年になるかもしれない。僕には少し忍耐が必要な年になるけれどね」
そう語ったリカルドは、次のように付け加えた。
「僕はF1をあきらめるつもりはないよ」。