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【F1移籍市場】ピアストリにふられたアルピーヌ、リカルドの復帰も歓迎?

2022年08月05日(金)10:13 am

アルピーヌのチーム代表を務めるオットマー・サフナウアーが、現在マクラーレンに所属するダニエル・リカルドがルノーの事実上のワークスF1チームに復帰することになっても「全く問題はない」と語った。

サフナウアーがこうしたコメントを行った背景には、最近起こったショッキングな出来事があるのは言うまでもないだろう。

■アロンソとピアストリに立て続けに背を向けられたアルピーヌ

2度F1王者となった実績を持つフェルナンド・アロンソとの間で2023年に向けて契約延長交渉を行っていたアルピーヌだが、アロンソは突然、今季限りでのF1引退を発表したセバスチャン・ベッテルの後任として2023年にアストンマーティンに移籍することを発表し、F1界を驚かせた。

アルピーヌはこれを受けて、現在リザーブドライバーを務めている21歳のオスカー・ピアストリを2023年にF1デビューさせることを発表。ところが、その直後にピアストリ本人がそれを否定し、「僕が来年アルピーヌで走ることはない」とSNSを通じて主張したのだ。

フィンランドの『Ilta-Sanomat(イルタ・サノマット)』紙の記者を務めるオッシ・オイカリネンは、「誰もF1シートに“ノーサンキュー”と言う者はいない」と語り、次のように続けている。

「少なくとも、FIA(国際自動車連盟)はさまざまな契約書に書かれていることを解釈する必要があるかもしれない」

「アルピーヌがドライバーに対する権利を持つか持たないかによって、多くの異なる条項が存在する可能性があるからね」

スペインのスポーツ紙『Marca(マルカ)』は、ピアストリがこうした動きに出たのは、すでにマクラーレンとの間で2023年にはランド・ノリスのチームメートとしてF1デビューするという前契約を結んでいるからだと推測している。

ともあれ、仮に『Marca(マルカ)』が言うように、マクラーレンが2023年にピアストリを起用することになれば、2023年までの契約を手にしているものの、リカルドがそのシートを失うことになるのは確かだろう。

■にわかに浮上したリカルドのアルピーヌ復帰説

そうしたことを受け、ピアストリと入れ替わる形で同じオーストラリア出身ドライバーである33歳のリカルドが再びエンストンにファクトリーを構えるアルピーヌに復帰する可能性もあると報じているメディアもある。

2014年から2018年までレッドブルに所属し、通算7勝をあげていたリカルドだが、2019年にはルノー(現アルピーヌ)に移籍したものの2021年にはマクラーレンに移ったという経緯がある。

2020年シーズンは新型コロナウイルスの影響により開幕が7月にずれ込んだが、リカルドがマクラーレンへの移籍を発表したのはその2か月前の5月のことだった。

つまり、リカルドは実質的に1シーズンを戦っただけでルノーを見限ったことになるわけで、アルピーヌのマネジメント体制などは当時とは大幅に変わっているとは言え、アルピーヌ側にはリカルドの復帰を歓迎しない者もいるかもしれない。

■リカルドの復帰には何の問題もない

だが、その可能性について質問されたサフナウアーは、次のように答えた。

「我々にはいくつかの選択肢がある」

「ベストなドライバーをエステバン(オコン)の隣に配置することで、我々は自分たちの目標に向かって働くことができるようになる」

サフナウアーが言及した“目標”とは、アルピーヌのCEOを務めるローラン・ロッシが昨年末に発表した“100レースプロジェクト”のことだ。それは100レース以内に勝利するというものだ。

ザフナウアーは、それを達成するためなら、リカルドと再び手を組む可能性もあると示唆し、次のように続けた。

「フェルナンドを見てごらん。彼は行ったり来たりしているし、それはほかのドライバーにもあることだよ」

「それには何の問題もないよ」

昨年まではアストンマーティンのチーム代表を務めていたサフナウアーはそう語ると、自身が「野心的だが達成可能」だとしている“100レースプロジェクト”に再び言及しながら次のように付け加えた。

「我々は自分たちの計画に集中し、今後の88レースに臨む必要があるんだ」

■ドライバーを“買いあさる”マクラーレンの計画は?

実際のところ、ピアストリやリカルドの去就が今後どのような展開を見せることになるのかはわからない。

だが、最近の動きの中で注目を集め始めているのがマクラーレンであることは確かだ。

マクラーレンは、少し前には現在チップ・ガナッシ・レーシングに所属するインディカー・ドライバーのアレックス・パロウと2023年の契約を結んだことを発表し、これに関してはチップ・ガナッシとの間で法廷闘争に持ち込まれる可能性もあると伝えられている。

そして今度は、やはり同じようにピアストリをアルピーヌから盗むような形で自分たちのドライバーリストに加えたものと考えられている。

一見すると、マクラーレンが手当たり次第に有望なドライバーの買い占めに動いているような印象さえある。

「これと似たような状況は、以前にはなかったと思う。F1というニンジンがかなりの数のドライバーの前で振られていることは明らかだよ」

前出のオイカリネンはそう語ると、次のように付け加えた。

「問題は、ザック・ブラウン(マクラーレン・レーシングCEO)が、ここでどのような計画を立てているかだ」

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