アストンマーティンのチーム代表を務めるマイク・クラックが、セバスチャン・ベッテルになるべく早く2023年の契約を結ぶよう、穏やかに圧力をかけた。
最近では環境問題や政治問題などに対して積極的に発言するようになっているベッテルだが、今週には元F1最高責任者のバーニー・エクレストンが政治家になるのかF1ドライバーを続けるのか、どちらかに決めるべきだとコメントしたことも報じられている。
だが、34歳のドイツ出身ドライバーであるベッテル自身は、今後自分がどうするのかはまだ決めていないと語っており、F1関係者の中には2022年シーズンを最後にベッテルがヘルメットを脱ぐ可能性もあると考えている者もいるようだ。
■ベッテルをキープしたいというアストンマーティンの思いに変化なし
しかし、今週末に行われる2022年F1第10戦イギリスGP(7月3日決勝)の開催地として知られるシルバーストンに本部を構えるアストンマーティンが、2023年もベッテルがチームに残ることを熱望しているのは確かだ。
母国ドイツのテレビ局『RTL』から、今年で現在の契約が切れるベッテルに対して新たな契約をオファーすることになるのかと質問されたクラックは次のように答えた。
「我々はこれまでずっと、『彼が続けたいと思うのなら、我々は長期にわたって彼をキープしたいと思う』と言うことで、それを明確にしてきているよ」
「我々はお互いに話し合っているし、すごくいい関係にあるんだ」
■ベッテルの決断が遅くなれば問題も生じる
しかし、ベッテルが早めにその決断をしてくれるようクラックが望んでいるのも間違いないようだ。
「最終期限を決めなければならないようなことはないんだ。もちろん、あまり長く待つことになれば問題を抱えることになるし、彼もそれは分かっているよ」
ベッテルに軽くプレッシャーをかけるかのようにそう語ったクラックは、チームとベッテルは「非常に信頼できる会話」をしており、「すべて順調」だと主張し、次のように付け加えている。
「セバスチャンのような人がいるのであれば、彼をキープしようとしなければならない。極限のドライビングクオリティと経験を持ち、我々が前進することを手助けしてくれる非常に前向きな人物だからね」
■アストンマーティンの現在の目標は中団トップに立つこと
一方、今季のF1第6戦スペインGPにはレッドブル2022年型マシンによく似たBスペックマシンを持ち込み、“グリーンブル”とも揶揄されたアストンマーティンだが、クラックによれば今週末のシルバーストンに姿を見せるアストンマーティンF1マシンはさらに「かなりの改良」が施されたものになるという。
「我々はかなり改善できたという自信を持っているし、次のステップもいいものになるだろう」
そう語ったクラックは次のように付け加えた。
「中団の先頭に立つことを目標にしなくてはならない。そうすれば、ポイント圏内からスタートできるようになるからね」。