元F1最高責任者のバーニー・エクレストンは、現時点ではレッドブルのマックス・フェルスタッペンが2年連続のドライバーズタイトル獲得に向けて「楽な時間」を過ごしていると考えている。
■レッドブルに大差をつけられたフェラーリ
2017年1月まで長期にわたってF1を運営してきた現在91歳のエクレストンは、F1が成功を収めるためには強いフェラーリがいる必要があると常に語ってきていた。
そのフェラーリは、ドライバーズタイトルは2007年(キミ・ライコネン)、コンストラクターズタイトルは2018年を最後に両タイトルから遠ざかってしまっている。
だが、今年のフェラーリにはタイトルを狙えるだけのF1マシンがあるのは確かであり、世界中のフェラーリファンがその目標が達成されることを期待している。
しかし、シーズン序盤こそシャルル・ルクレールの活躍によって大きなリードを築いたフェラーリだったが、その後レッドブルとフェルスタッペンの反撃に遭い、現時点ではルクレールがランキングトップのフェルスタッペンに49ポイント差の3番手に下がり、コンストラクターズタイトル争いもレッドブルに76ポイントの差をつけられてしまっている。
■フェラーリに賭けても勝てないとエクレストン
「失策が再び忍び寄りつつあるよ」
ルクレールがマシントラブルで2レースを失ったことに言及しながらスイスの『Blick(ブリック)』紙にそう語ったエクレストンは次のように続けた。
「我々が目にしている信頼性問題はしばしば昔を思い起こさせるものだ。そして、ドライバーたち自身もサーキットで常に自信を持っているわけではない」
「つまり、すでに6勝をあげているマックスがレッドブルで楽な時間を過ごしているということだ」
エクレストンは、フェラーリの現状に目を向ければ、そこに喜びを見いだすことはできないと次のように続けた。
「多くの人たちと同じように、私もフェラーリが14年ぶりに再び成功することを期待していたんだ」
「残念ながら、フェラーリやルクレールに金を賭け続ける人は何も得ることはできないと言わざるを得ないよ」
■まだやる気に満ちているとフェラーリのルクレール
しかし、もちろん、ルクレールはまだ今季のタイトル獲得をあきらめてはいない。
「タイトル争いはまだ序の口だよ」
「確かに、49ポイント負けている。だけどそれは2勝分だ。それだけのことだよ。真面目な話、僕たちに必要なのは自分たちのことに集中し続けることだけさ」
そう語った24歳のルクレールは次のように付け加えた。
「だから、僕は心配していないし、最終的にクリーンな週末を過ごして、自分たちがまだそこにいること、まだ強いことを示してやろうというやる気に満ちているよ」
■マシン重量に関してはフェラーリの方が優れているとレッドブル首脳
実際のところ、レッドブル陣営はエクレストンが考えているほど楽観的ではないようだ。
レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、2022年に導入された新たなF1技術レギュレーションのもとでできるだけ軽いクルマを製造することにかけてはフェラーリの方が優れていると認めている。
「前回のレースではどうだったか分からないが、最近のレースのひとつでのフェラーリは最低重量をわずか500グラム上回っていただけだった」
イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』にそう語ったマルコは次のように付け加えている。
「それは我々よりもはるかに優れているし、メルセデスとの比較においてもそうだよ」。