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ジェンソン・バトン、マクラーレンCEOの「“あんな発言”に驚いた」ダニエル・リカルドと同胞の元F1王者「いいヤツはF1では成功できない」

2022年06月03日(金)20:02 pm

1980年のF1チャンピオンであるアラン・ジョーンズは、マクラーレンが自分と同じオーストラリア出身ドライバーであるダニエル・リカルドとの契約を2022年シーズンいっぱいで解約する準備をしているのは間違いないと考えている。

■マクラーレンのボスがリカルドとの契約解除を示唆

レッドブル時代にF1で7勝をあげたリカルドは2019年にルノーへ移籍すると2021年にはマクラーレンに移籍。そしてその年の第14戦イタリアGPで通算8勝目をあげている。しかし、それ以外でリカルドが2019年以降表彰台にのぼったのはルノーで2020年に2度3位となっただけだ。

そして、マクラーレンではここまでのところ自分よりも10歳若いチームメートのランド・ノリスの後塵を拝し続けている。

こうした中、先週にはマクラーレン・レーシングのCEOを務めるザック・ブラウンが「リカルドはチームの期待に応えられていない」と語るとともに、現在結んでいる契約には「解除条項がある」と主張したことが報じられていた。

これに対し、32歳のリカルドは、今季のF1第7戦が開催された先週末のモナコにおいて自分の契約は2023年までだと語っており、その契約を中途解除できる権利はリカルド側にのみあるとの情報も伝えられている。

■ジェンソン・バトン、マクラーレンCEOに驚き

2009年のF1チャンピオンであるジェンソン・バトンは、『Sky(スカイ)』に対し、リカルドに関するブラウンの発言には驚かされたと次のように語っている。

「ザックは我が道を行く男だし、僕には彼の考えや発言を変えることはできない。だけど、彼が出てきてあんなことを言ったのには驚いたよ」

「チームの関係者なら誰であろうと、ドライバーたちを守るべきだよ」

■モナコでリカルドのヘルメットに施された文字はマクラーレンへのメッセージ?

実際のところ、先週末のモナコでは、マクラーレンとリカルドの関係がかなり難しい状況になっているようだとの噂が強くささやかれるようになっていた。

その理由のひとつは、リカルドが突然自分のヘルメットに“FEA”という文字を描いたことだった。

これに関して質問されたリカルドは、その“FEA”が、「Fuck’Em All」の略であることを否定しなかった。これは、あるグループの人たちに対する怒りを表す言葉だと言われており、強いて日本語に訳すとすれば「みんな、くたばっちまえ」というような意味になるだろう。

リカルドはこれについて、ドイツのテレビ局『RTL』に次のように説明している。

「僕は2018年にもそれをヘルメットに描いていたよ」

「僕は自分自身にやる気を持たせるために頭字語(頭文字を組み合わせた語)を使うのが好きなんだ。正直なところ、誰かに向けてのものではないよ」

「僕は何年も言い続けてきているし、それが僕を幸福感に導いてくれるのさ」

「トンネルや自分のゾーンに入ることを思い出させてくれるんだ」

■状況がすぐに変わらなければリカルドはシートを失うとジョーンズ

だが、75歳のジョーンズは、ブラウンがああしたコメントを行ったことを考えれば、イギリスのウォーキングに拠点を置くマクラーレンが来年はノリスのチームメートをより競争力のあるドライバーに交替させることを考えているのは間違いなく、
リカルドとマクラーレンの関係が終わりを迎えることになるのは確実だと考えているようだ。

「もし彼がすぐに改善するようなことがなければ、正直なところ、彼が長くそこ(マクラーレン)にいるとは思わない」

オーストラリアの『Herald Sun(ヘラルド・サン)』紙にそう語ったジョーンズは、仮にリカルドとマクラーレンの現在の契約が2023年までとなっていても「F1では契約はあまり意味がないことだ」と主張している。

「もし状況がこのまま変わらなければ、マクラーレンが契約にあるオプションのひとつを行使することに疑いの余地はないね」

ジョーンズは、いつも笑顔を絶やさない好人物として知られているリカルドについて、次のように付け加えている。

「彼は素晴らしいレーサーだし、いいヤツだよ。だが、F1ではいいヤツが成功できないことは誰でも知っていることだ」。

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