F1第6戦スペインGPの決勝レースは気温36度・路面温度49度と猛暑の中で行われたが、6番グリッドからスタートしたルイス・ハミルトン(メルセデス)だったが、直後のターン4で、アウト側のケビン・マグヌッセン(ハース)と接触。マグヌッセンはタイヤをパンクさせグラベルに飛び出してしまい、ハミルトンはタイヤをパンクさせ最後尾に落ちたものの、挽回して5位でフィニッシュした。
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■あきらめないのが僕たちの仕事だ
ここまでメルセデスF1はバウンシングの問題に悩まされてきたが、6戦目にしてようやく解決策を見つけたことで、これまで暗い表情が多かったハミルトンにも笑顔が戻ってきた。
「カムバックできたことに本当に感謝している。そして、ここまで改善するために努力を続け、素晴らしい仕事をしてくれたチームにも感謝しているよ」
「レースではマシンのフィーリングが素晴らしく、ペースも上位陣に近づいてきているのは素晴らしいことだ」
接触した後は無線で「(今後のレースのために)僕ならエンジンをセーブするよ」とやる気を失っていたハミルトンだが、チームは8位以上を狙えると奮起させた。
「スタートでパンクしてしまったのは本当に残念だったけれど、それでもあきらめなかった。それが僕らの仕事だからね」
■終盤はハーフスロットルで走っていた
最後尾まで落ちたものの驚異的な追い上げでライバルたちをオーバーテイクしてきたが、終盤にはエンジンを冷やさなければならない危機的状態となっていたが、アクセルを半分しか踏まなかったり、早めにペダルから離したりと工夫し、タイムを大きく落としながらもなんとか完走させた。
「今日は天気予報よりもずっと暑くて、このマシンでは誰もが大変な思いをすることになった。終盤は基本的にハーフスロットルで走って、マシンを冷やさなければならなかった。エンジンに新鮮な空気を送り込み、冷却するためにストレートで何度もリフトダウンしたんだ」
■サインツに負けて悔しい
「サインツ(フェラーリ)に負けたのは本当に悔しいよ。特に、せっかくここまで来たんだ。だってそうでしょう?(1周目の接触後には)僕は最後尾から30秒以上も離されたんだ、まるで無人の世界だったよ」
「あんなに遅れてしまっては、もうどうしようもない。でも、とにかく気を引き締めて、プッシュし続け、前進し続け、より良いものを目指すしかない」
■バウンシングがなければ上位陣と同じペースで走れる
メルセデスF1は悩まされてきたバウンシングの問題を完全に解決するまであと少しというところまできたようだ。
「バウンシングはまだあるけれど、ストレートではしてなくて、コーナーで跳ねているけど以前よりひどくはないよ。みんな一生懸命に頑張ってくれているから、時間をかければきっと解決できると思う」
「もし、最初にこの問題がなかったら、最終的にはどうなっていただろうね。上位陣と同じようなペースで走れているのは嬉しいことだよ」。
本来のポテンシャルを引き出し始めたメルセデスF1が、今後も上位と同じ速さを発揮したらチャンピオンシップ争いはますます激しくなることは間違いない。