メルセデスでは『W13 E パフォーマンス』という名称が与えられている2022年型F1マシンの基本コンセプト検証作業に入っているようだ。
●【2022F1第5戦マイアミGP】決勝レースのタイム、周回数、ピット回数
2014年から昨年まで8年連続でコンストラクターズタイトルを獲得してきたメルセデスだが、今年のマシンの競争力はライバルのレッドブルやフェラーリに対して大きく劣ってしまっている。
■まずは現在どこがうまくいっていないのかを解明することが必要
メルセデスは、バルセロナで来週末行われる第6戦スペインGP(22日決勝)に向けて、極端にサイドポッドを絞り込んだ特徴的な外観を持つ現在のマシンと、2月に同じバルセロナで行われたプレシーズンテストで最初に持ち込んだマシンのデータを直接比較するつもりだという。
「それから、我々は鏡を見なければならない」
そう語ったメルセデスF1チーム代表のトト・ヴォルフは次のように続けた。
「今のところ、我々はまだ現在のコンセプトを信頼している。隣のマシンの方が魅力的かどうか見ているわけではないよ」
「別のコンセプトに切り替える可能性もあるが、その前に、まずどこがうまくいっていないのかを理解しなければならない」
■マイアミのフリー走行ではマシンに競争力があった
先週末に行われた今季の第5戦マイアミGPのフリー走行では、メルセデスは異なるセットアップを試し、現在最も深刻な問題となっているポーポイズ現象(高速走行時にマシンが上下に振動する現象)の解決策を見いだしたように見えた。
ところが、その後さらにセットアップを変更したところ、その問題が再び大きくなってしまったのだという。
「何とかして、すごく競争力のあったプラクティス時の状態にマシンを戻さなければならない」
そう語ったヴォルフは次のように続けた。
「それができれば、また希望を持つことができる」
「非常に繊細なコンセプトであることは確かだ。もちろん、どこかの時点で、来年はどうするかを決めなければならない時が来るだろう」
「しかし、かつてのように、1年を棒に振って次の年に集中するというようなわけにはいかないね」
「ルールはほとんど変わらないからね」
■“ノー・サイドポッド”コンセプトを断念する可能性は?
F1関係者やファンの中には、メルセデスがシーズンの終わりを待たずに“ノー・サイドポッド”とも呼ばれる現在の非常に極端なマシン形状を持つコンセプトを諦めて、よりオーソドックスな形状のマシンコンセプトに変更する可能性があると考えている者もいる。
その可能性について質問されたヴォルフは、「考慮に入れないことは何もない」と答え、次のように付け加えた。
「だが、過去に素晴らしいマシンを作ってきた仲間全員の考えを大事にする必要があるし、それがいい方法だと我々は思っているんだ」