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メルセデスでは今「守護神の交代劇」が起こっていると元F1ドライバーたち

2022年05月10日(火)20:20 pm

2人の元F1ドライバーが、今年のF1界はメルセデスで「守護神の交代劇」が起こっているのを目にしているのだと考えている。

■ラッセルはもっと評価されるべきだとヤン・ラマース

現在はF1オランダGPの運営にも携わっている元F1ドライバーのヤン・ランマースは、今年メルセデスに移籍したばかりの24歳のジョージ・ラッセルが、ここまで7度の世界チャンピオンであるルイス・ハミルトンをしのぐパフォーマンスを見せているにもかかわらず、「あまりにも小さな評価」しか受けていないと考えているようだ。

「すごく印象的なのは、彼(ラッセル)はフィニッシュラインを越えるまですべてを絞り出すことだ」

『NOS(オランダ放送協会)』にそう語ったラマースは次のように付け加えた。

「彼は、コース上でも精神的にも、簡単に自分を見失うことがないんだ」

ラマースは、昨年までウィリアムズで3年間を過ごしてきたラッセルが、今はメルセデスでハミルトンよりも速いドライバーになったのかもしれないと考えている。

「その可能性はある。でも、もしそうだとしたら、ハミルトンはラッセルの精神力を少し利用できるかもしれないね」

「あきらめた瞬間に敗北が事実となる。そして、私はハミルトンがまだ本気でやっているとは思えないんだ」

■ハミルトンのアクセサリー禁止に対する反応はおかしい

だが、実際のところ、先週末に初開催されたマイアミGPの週末にハミルトンが注目したのは、レースよりもF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が、F1マシンに乗り込むときにアクセサリー類を身につけることを禁止した件だったと考えている者も少なくないようだ。

ラマースは、マイアミでFIAのアクセサリー取り締まりに対する反論を展開したハミルトンについて次のように語った。

「ちょっと変な反応だと思ったよ」

「私もスピード違反で警察に止められたときに、『犯罪者を捕まえるべきじゃないのか?』って言ったことがある。しかし、もちろん、そんなことを言ってもうまくいくわけがないさ」

「ハミルトンは、あまりにも個人的な捉え方をしているよ。これは彼や、彼が16年にわたってやってきたことに対するものではないんだ。これは安全性の問題であり、彼もその変化を受け入れなくてはならないよ」

■ハミルトンは溺れないようにしているだけだとビルヌーブ

1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブも、オランダの『Formule 1(フォーミュレ1)』誌から2022年のラッセルとハミルトンについて質問されると次のように答えている

「ジョージ・ラッセルは波に乗り、ルイス・ハミルトンは溺れないようにしている」

「競争がない状態で長年にわたって勝利してきた後では、目を覚まして、それほど簡単ではないことに気づくのは難しいことだよ。彼は今、F1での最初の2年間のように走ってみせなくてはならない。それがラッセルが今やっていることなんだ」

「しかし、ルイスはレーサーであり、チャンピオンだ。彼がまだそのエネルギーを持っているかどうかはそのうちわかるだろう」

「昨年タイトルを失ったことを、彼はいまだに重荷として背負っているんだと思う。だが、マックス(フェルスタッペン/レッドブル)のドライビングを見れば、彼がタイトルを盗んだわけではないことがわかるはずだよ」

フェラーリで活躍した伝説的ドライバーであるジル・ビルヌーブを父に持つ51歳のビルヌーブは、F1は「守護神の交代」を目撃しているのかもしれないと結論付けている。

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