フェラーリのシャルル・ルクレールが、先週末にフェラーリの地元イタリアのイモラ・サーキットで行われた今季のF1第4戦エミリア・ロマーニャGP決勝終盤にスピンをしてしまったのは、2位を目指して無理をし過ぎたためだったと認めた。
●【2022F1第4戦エミリア・ロマーニャGP】決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
■ルクレールのミスはプレッシャーとは関係ないとフェラーリのボス
今季はここまで、ルクレールのチームメートとしてフェラーリ移籍後2年目のシーズンを迎えているカルロス・サインツがたびたびミスを犯すシーンが見られた。
だが、フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットは、それはスペイン出身の27歳のサインツが非常に競争力の高い2022年型フェラーリF1マシンをうまく操らなくてはならないというプレッシャーに苦しんでいるためだと示唆していた。
しかし、ビノットは、現在ドライバーズランキングトップに位置しているルクレールがイモラで喫したスピンに関しては、「あのミスはプレッシャーとは関係ない」とレース後に次のように語った。
「レーシングドライバーは常に限界ぎりぎりで走っていると思う。今年のマシンはサスペンションが硬いから、縁石に乗り過ぎるとコントロールを失ってしまうんだ」
●【動画】ペレスを追うルクレールがスピンしたシーン(F1公式YouTube)
■全く必要のないミスだったとラルフ・シューマッハ
だが、イモラでのスピンにより表彰台を逃してしまったルクレールに関しては、重要な場面でミスをすることが多いと指摘する声もある。
元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは次のように語っている。
「速いラップを刻むだけでなく、すべてを失いかねないリスクを冒さず、安定したドライビングをすることが重要なんだ」
「彼に起こったことは、全く必要のないことだった。彼は3位でレースを終えることを受け入れるべきだったんだ。なぜなら、そうすることがタイトル獲得の鍵でもあるからだ」
「彼はあの状況において縁石に乗り過ぎてしまった。やり過ぎだったよ」
■「やってはならないミスだった」とルクレール
ルクレールもそうした声に反論はせず、自分のミスを深く反省しているようだ
「とても接近しているし、残りのシーズンもこの状態が続くと思う」
「だから、どんな小さなミスも無視できないんだ。今日のは大きなミスだったけれどね」
「僕たちに勝つためのペースはなかった。だけど、絶対に2位になりたかったんだ」
「やってはならないミスを犯してしまったよ」
テレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』にそう語ったルクレールは次のように付け加えた。
「それに関しては、言い訳はできないよ」
■マイアミに向けて大きなアップグレードは予定せず
一方、ビノットは次戦マイアミGP(5月8日決勝)では、現在のフェラーリF1マシンに大幅な変更を加える予定はないことを明らかにしている。
「バウンシング(高速走行時にマシンが上下に振動すること)を防ぐことと、あまり大きなダウンフォースが必要ではないこのサーキット(マイアミGPの舞台となるマイアミ・インターナショナル・オートドローム)に空力パッケージを適合させることに取り組むことになる」
そう語った52歳のビノットは次のように付け加えた。
「より大きなアップグレードは、もう少し後になるよ」