F1ドライバーの中には、2022年の新しい「グランドエフェクトカー」のハンドリングに苦戦している者もいる。
■ルクレールは限界でのコントロールが上手い
元ドライバーのマルク・スレールは、昨年のカルロス・サインツはチームメートのシャルル・ルクレールより「少し良かった」とし、2021年型マシンは「今年のマシンと比べて運転しやすかった」と主張する。
スレールは『Sport1(シュポルト1)』に「(2022年型の)フェラーリは限界でコントロールするのが難しいんだ。そして、そこがルクレールの特別な才能が勝るところなんだ」と語る。
■シューマッハ、重量の増加が問題
また、これまでのところチームメイトと比べて苦戦しているのが、昨年ニキータ・マゼピンを圧倒した23歳のミック・シューマッハ(ハース)だ。
マゼピンの代役として経験豊富なケビン・マグヌッセンが招集されたが、シューマッハは「追いつく必要がある」と認める。
「重量の増加が問題なんだ。極端な力が働いている。そして、それらが間違った方向に進めばコントロールすることはできないんだ」
■重量に加え大型タイヤも影響
叔父にあたるラルフ・シューマッハは、ミックがジェッダで大クラッシュを喫し、一時入院したのもそのせいだと考えている。
「大型のタイヤは反応がまったく違うんだ。限界のウィンドウが小さくなっているようだ」
「このことが、重量の増加と相まって、クルマをコントロールすることを難しくしている。その結果、ミスやアクシデントが多くなっているんだ」
■昨年苦労したドライバーが有利?
同様に、7度のワールドチャンピオンに輝いたルイス・ハミルトンが、新しいチームメイトのジョージ・ラッセルに遅れをとっている理由も、レギュレーションの急激な変化が原因かもしれない。
「ラッセルはウィリアムズ時代にドライビングは難しいクルマを手なずけることに慣れていたのに対し、ルイスはこれまで常に完璧なクルマに乗ってきたからだ」と、マルク・スレールは言う。
「ハミルトンが新車のハンドリングに慣れた後、パワーバランスがどうなるのか気になるところだ」
マクラーレンのダニエル・リカルドは、次のように言う。
「運転が難しくなっただけでなく、タイヤが大きくなったことで前方の視界が狭くなったんだ。モナコはカミソリの刃の上に乗るようなものだ。もう、楽しみで仕方がないよ」。