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シューマッハの大クラッシュを呼んだのはマグヌッセン加入による「プレッシャー」か

2022年03月30日(水)5:17 am

ハースのミック・シューマッハが先週末にジェッダ市街地サーキットで開催されたサウジアラビアGP予選で大クラッシュを演じてしまった背景には、ケビン・マグヌッセンによってもたらされた「プレッシャー」があったのかもしれない。

幸い、23歳のシューマッハは無傷だったものの、クラッシュにより33Gもの衝撃を受けたハースF1マシンは大破してしまい、予選Q2に進出し、14番手タイムを刻んでいたシューマッハは翌日の決勝出走を断念するしかなかった。

ハースでは、ロシアのウクライナ侵攻問題を受けて、シーズン開幕直前にタイトルスポンサーを務めていたロシアのウラルカリと、その支援を受けていたロシア人ドライバーのニキータ・マゼピンとの契約を解除。そしてその後任として2020年まで同チームで戦っていたマグヌッセンを急遽呼び戻している。

だが、バーレーンで行われた2回目のプレシーズンテストからハースに合流したマグヌッセンは、開幕戦バーレーンGPでいきなり予選7番手、決勝では5位入賞という結果を残してみせた。

シューマッハも開幕戦ではF1での自己最上位となる11位でフィニッシュしていたものの、経験豊かとは言え1年のブランクがあったマグヌッセンに大きな差をつけられたことで焦りを感じなかったわけはないだろう。

こうした中、かつてフォース・インディアやHRTでチーム代表を務めた経験を持つコリン・コレスは、ドイツのテレビ局『Sport1(シュポルト1)』に次のように語った。

「彼がマグヌッセンのレベルに達するためには、ものすごくハードに取り組む必要がある」

「ケビンは2年ぶりにF1に戻ってきたが、すぐに(シューマッハを)上回った。そして、彼が今後悪くなることはないし、もっとよくなるだろう」

ドイツ出身の元F1ドライバーであるクリスチャン・ダナーも同様の見方をしているようだ。

ダナーは、シューマッハのクラッシュは「日増しに増大しつつあるプレッシャー」によるものだったと思うと語り、次のように続けた。

「ケビン・マグヌッセンが加わったことで、彼(シューマッハ)にはバーがどれほど高いのかを本当に示してみせるチームメートができたんだ」

「素晴らしいのは、彼がそれに挑戦していることだ」

しかし、ダナーは、サウジアラビアでマシンを1台全損させる大クラッシュを演じてしまったことは、まだ若いシューマッハにとっては「信じられないほど大きな挫折」でもあると語り、次のように続けた。

「しかし、ミックがチームメートに勝つためにどのように取り組んでいくのかが今後さらに興味深くなるだろう」

「マグヌッセンはとてもいい仕事をしているし、彼はゆっくりと上を目指さなければならないよ」

ミック・シューマッハの叔父である元F1ドライバーのラルフ・シューマッハも、ミックには「さらに限界を攻めるにはどうすればいいのかをマグヌッセンから学ぶ」必要があると認めている。

「はっきりしているのは、マグヌッセンへの挑戦はマゼピンのときとは違うものになるということだ」

テレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』にそう語ったラルフ・シューマッハは次のように付け加えた。

「だが、彼はまだF1に来て2年目にすぎない。だから、彼はまだ多くのことを学んでいるところだよ」

しかし、ラルフ・シューマッハは、サウジアラビアでのミック・シューマッハのクラッシュは、ダナーが言うような「挫折」ではないと主張している。

「もちろん、非常に劇的に見えるものだった。だが、レーシングドライバーは誰でも、あのようなアクシデントはすぐに忘れてしまうものだよ」

「それに、彼が身体的に非常に強く、身体に問題がなかったのは明らかだ。むしろ、傷ついたのはプライドの方だったんじゃないかな。アタックラップでミスをしてしまったんだからね」

そう語った46歳のラルフ・シューマッハは次のように付け加えた。

「それはすごく大きな結果、すごく厄介な結果をもたらす失敗だった。しかし、もちろん一番大事なことは、彼には何も起こらなかったということだよ」

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