今季メルセデスからアルファロメオに移籍したバルテリ・ボッタスが、F1がセーフティカー導入時に適用される競技ルールを改正したことを歓迎した。
2021年のF1最終戦アブダビGP決勝終盤にセーフティカーが導入された際、F1レースディレクターを務めていたマイケル・マシが先頭を走っていたルイス・ハミルトン(メルセデス)と、2番手ながら大きく差をつけられていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の間に位置していた数台のマシンだけにセーフティカーを追い抜かせるという判断を行った。
これでハミルトンとのギャップが消えたフェルスタッペンは、直前に履き替えていたソフトタイヤのアドバンテージを行かしてハミルトンをオーバーテイク。劇的な逆転勝利で自身初のF1ドライバーズタイトルを手にしていた。
だが、これに関しては、マシが本来ルールにない判断を行ったものだという批判の声があがり、この件の調査にあたったFIA(国際自動車連盟)は最終的にマシをF1レースディレクターから解任している。
しかし、F1最高責任者(CEO)のステファノ・ドメニカは、フェルスタッペンがハミルトンに勝てたのは「不正」が行われたためだという声に対しては、次のように主張している。
「もし私がそうだったと考えていたなら、私はここにはいなかっただろう」
「私はF1の代表として、そうでないことを保証することができる」
ともあれ、2022年のF1開幕戦バーレーンGP(20日決勝)を間近に控えた今週、FIAはセーフティカー導入時のルールを一部改正したことを正式に発表した。
現在のF1競技ルールでは、セーフティカーが導入された場合には周回遅れのマシンにセーフティカーを追い抜かせてからレースを再開することになっている。ただ、これまでのルールではその周回遅れのマシンに関して「any」という形容詞がつけられていたが、今回これが「all」に変更されたことで、曖昧さがなくなり、より明確なルールとなったものだ。
昨シーズンまでハミルトンのチームメートを務めていたボッタスは、この件について、母国フィンランドの『Ilta Sanomat(イルタ・サノマット)』紙に次のように語った。
「この見直しはいいことだし、誰にとっても明確だよ」
「今後は、このルールに忠実にやっていかなくてはならない。ただ、彼らがそういうことをしなくてはならなかったのが残念だけれどね」
「アブダビではルール通りに行われなかったのは事実だし、レースの終わり方も不公平だった」
そう語った32歳のボッタスは次のように付け加えた。
「人生は常に勉強だね」