フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットが、エンジンのパフォーマンスに関しては、ライバルたちに追い付くことができていると語った。
2019年には圧倒的なエンジンパワーを誇っていたフェラーリだが、ライバルチームたちから違法な技術を用いていると指摘されていた。最終的には統括団体であるFIA(国際自動車連盟)と秘密の合意を結び、その件については不問とされたフェラーリだったが、2020年と2021年のエンジンは完全にそのアドバンテージを失っていた。
しかし、フェラーリの2022年仕様F1エンジンが再びパワーを取り戻したのは間違いないようだ。
ビノットも、自分たちもその手応えを感じていると次のように語っている。
「テストで行った分析によれば、我々はライバルたちと同じレベルにきている。彼らに後れをとっていないのは明らかだし、恐らくは少し上だろう」
その新エンジンを搭載するフェラーリの2022年型マシンを、今週末に行われる2022年F1開幕戦バーレーンGP(20日決勝)での優勝候補筆頭にあげるF1関係者も少なくない。
しかし、ビノットはあえて強気なコメントは避けるかのように、次のように語った。
「私から見れば、レッドブルが非常に強そうだ」
「1台が我々の前で、もう1台は我々の後ろかもしれない。どうだろうね。だが、我々は戦うことができるレベルにあると思っているよ」
そのフェラーリ2022年型マシンで戦うことになるモナコ出身ドライバーのシャルル・ルクレールも、レッドブルはそれほど楽に勝たせてはくれないだろうと考えているようだ。
「僕たちはレッドブルには及ばないという印象があるよ」とルクレール。
「昨年のように1秒も差があるわけではないけれど、僕に言わせれば彼らが優勝候補だね」
「サイドポッドの改良で彼らがかなり進歩したのがわかったしね」
しかし、マクラーレンのランド・ノリスは、フェラーリも意図的に自分たちの優位性を隠しているのではないかと考えているようだ。
「彼ら(フェラーリ)は、バルセロナ(プレシーズンテスト1回目)の最初のラップからほとんど常にトップに立っていたよ」
そう語った22歳のイギリス人ドライバーは次のように付け加えた。
「レッドブルがあの改良を持ち込んだのはやっと最終日になってからだったんだ」
一方、昨年まで8年連続でコンストラクターズチャンピオンとなったメルセデスに関しては、レッドブルとフェラーリの下に位置するだろうと考えている者が多いようだ。
こうした中、メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフは、母国オーストリアの『Kronen Zeitung(クローネン・ツァイトゥング)』に次のように語った。
「強いて言えば、レッドブルが明らかにトップで、次がフェラーリだろうね」
「我々がどれくらい離されているのかはわからない。だが、土曜日(予選)までは、ただ占うことしかできないよ」
そう語ったヴォルフだが、仮に日曜日に行われるバーレーンGP決勝でメルセデスが大きな差をつけられて敗れたとしても、自分たちがパニックに陥ることなどはないと主張している。
「もしも4レースが終わった時点で30ポイント差をつけられたとしても、それで失われるものなど何もないよ」
そう語ったヴォルフは次のように付け加えた。
「状況を逆転することができるのも楽しいものだからね」