最近、ルイス・ハミルトン(メルセデス)がSNSへの書き込みを再開したこともあり、これまでささやかれ続けていたF1引退の噂は取り越し苦労に過ぎなかったと考えられている。
昨年のF1最終戦アブダビGPにマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と同ポイントで臨んだハミルトンは、先にゴールした方がチャンピオンになるというレースを終始支配していた。しかし、レース終盤のセーフティカー導入に伴うF1レースディレクターの采配により、ハミルトンは一転して不利な立場に置かれてしまい、通算8回目のタイトル獲得を逃してしまっていた。
元F1ドライバーのマーク・ウェバーは、2021年の激しいF1タイトル争いに敗れたハミルトンが1年F1を休んでも不思議ではないと母国オーストラリアの『Channel 9(チャンネル9)』に次のように語っている。
「大変だし、1年休みが必要だと思うよ。彼らには1年の休みが必要だ」
「治す必要がある古傷がまだ残っているからね。昨年の最後に、彼にとっては精神的に本当に厳しい終わり方になってしまったよ」
だが、アブダビGP決勝のファイナルラップで訪れたチャンスをつかみ、自身初のF1ドライバーズタイトル獲得に成功したフェルスタッペンは、ハミルトンが本当に引退さえ噂されるほどのショックを受けていたとは思っていないようだ。
「もし僕がすでに7回もチャンピオンになっていたとしたら、最初のタイトルを争っていたときよりも痛みは小さかったと思うよ。それは、すでに7回も(タイトルを)とったことにくらべればはるかに痛みを伴うものだろうからね」
イギリスの『The Guardian(ガーディアン)』にそう語った24歳のフェルスタッペンは次のように付け加えた。
「もう7回も手にしたことを考えれば、僕はそんなに悪いことではないと思うけど、違うかな?」
フェルスタッペンはさらに、ハミルトンはアブダビでタイトルを「盗まれた」のであり、フェルスタッペンはチャンピオンにはふさわしいものではなかったという声があることに対し、次のように反論している。
「僕はすごくいいシーズンを送ったし、チャンピオンに値すると思っているよ」
「みんなはいつも最後のレースを覚えているものだけど、シーズン全体に目を向ければ、もっと早い段階でタイトルの行方が決まっていたはずだからね」
実際のところ、2021年の結果に目を向ければ、ポール5回、優勝8回だったハミルトンよりも、ポール10回、優勝10回を達成したフェルスタッペンがチャンピオンにふさわしいドライバーだったと考えている者も少なくはないようだ。
ともあれ、2週間後の23日(水)にはスペインのバルセロナで今年1回目のプレシーズンテスト初日を迎えることになる。そして、そこではカーナンバー1が付けられたレッドブルの2022年型F1マシンに乗るフェルスタッペンの姿が見られることになるはずだ。
だが、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、そのテストに先駆けて2022年型マシンのシェイクダウン走行を行うことになるだろうと次のように語っている。
「恐らく、最初のテスト前に新車を走らせることになるだろう。やるべきことはたくさんあるが、すべてスケジュール通りに進んでいるよ」