セバスチャン・ベッテルが将来ラリーで戦う姿が見られるかもしれない。
レッドブル時代に4回F1王者となった実績を持つ34歳のベッテルだが、現在は中堅F1チームであるアストンマーティンに所属しているものの、現時点ではタイトルや勝利を狙える状況にあるとは言えない。
最近はベッテルが環境問題に強い関心を示していることもあり、F1関係者の中にはベッテルのF1キャリアも終わりに近づきつつあると考えている者も増えてきているようだ。
最近、ROC(レース・オブ・チャンピオンズ)に参加し、そこで1984年のWRC(世界ラリー選手権)チャンピオンであるスウェーデン出身のスティグ・ブロンクビストが駆ったことで知られるアウディ・クワトロS1ラリーカーのステアリングを握ったベッテルは、ラリーについて質問されると次のように答えた。
「とても楽しんでいるよ」
「ラリーは魅力的だね。F1やほかのカテゴリーと同じように舞台裏では多くの仕事が行われているし、それにこのスポーツも進化しているから、単に走らせればいいというわけじゃなく、そこも挑戦しがいがあるよ」
このベッテルのコメントは、将来的にラリーへ転向する可能性もあることを示唆しているようにも受け止められそうだ。
「時間と経験が必要だろうけど、もし誰かが僕にチャンスを与えてくれ、時間がたっぷりあるなら、喜んで考えてみるよ」
そう語ったベッテルはブロンクビストのラリーカーに言及しながら次のように続けた。
「このクルマは象徴的なものだし、乗りたいと懇願したほどさ」
「ドライバーとして、このクルマで遊ぶのはとても満足できるものなんだ」
「普通はスライドしたらすぐに修正するものさ。だけど、ここでは白でも黒でもなく、グレーなんだ」
そう語ったベッテルは、「そして、僕が楽しんでいるのはまさにそこだよ」と付け加えている。