2021年F1シーズンが後半戦を迎える時点でレッドブルが早々とセルジオ・ペレスとの契約を2022年まで延長したのは、F1タイトル争いに向けてレッドブルのマシンにうまく適応する時間を与えるためだった。
今季はマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)による熾烈なF1タイトル争いが展開されているが、最後の2レースではメルセデスのF1マシンがレッドブル・ホンダよりも優位に立っていると考えられている。
だが、彼らの戦いをサポートすることになるナンバー2ドライバーに関しては、今季限りでメルセデスのシートを失うことが決まっているバルテリ・ボッタスよりも、8月末の時点で来季もレッドブルで戦うことが発表されていたペレスの方が頼りになる存在だと考えている者が多いようだ。
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対し、メキシコ人ドライバーである31歳のペレスと2022年の契約を結んだ理由を次のように語っている。
「夏休みの間、我々は腰を据えて話し合った。そして、彼に安心を与えれば、我々はよりよいチェコを手に入れることができるだろうと理解したんだ」
「シーズン後半には我々の判断が正しかったことが証明されたよ。チェコはかなりよくなったからね」
ホーナーは、近年フェルスタッペンのチームメートを務めたドライバーは誰もがペレスと同じように苦戦を強いられていたと語り、次のように続けた。
「マックスは低中速コーナーでのタイムでは負けることがないんだ。ひとつのコーナーだけでコンマ2秒も上回ることだってある」
「我々のマシンのリアはブレーキング時には常に神経質だったが、マックスはそれを気にしないんだ。ほかのドライバーは全員それに対応できず、自信を失ってしまう」
「マックスはひょっとしたらそのマシンの神経質なところに気づきもせず、そのまま走り抜けているのかもしれないよ」
レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコも、フェルスタッペンはマシンを選ばないのだと次のように語った。
「マックスはどんなクルマに乗っても速いんだ」
「彼はどんなマシンに乗っても、2周目には限界に到達してしまうよ」
しかし、78歳のマルコは、ペレスはそうではなく、とりわけクルマのセットアップ変更が必要となる場合などにはかなり苦労してしまうのだと次のように付け加えている。
「そうなると、彼は適応するのにもっと時間がかかってしまうんだ」