アルファロメオのチーム代表を務めるフレデリック・バスールによれば、最近ではスイスにあるザウバーのオフィスの電話が鳴りっぱなしの状態だという。
2019年からタイトルスポンサーであるアルファロメオを正式なエントリー名称としてF1を戦っているザウバーだが、F1チームの中では小規模な予算しか持たないチームのひとつに数えられている。
そのアルファロメオは、2022年には今季限りでF1を引退するキミ・ライコネンの後任としてメルセデスで5年間戦ってきたバルテリ・ボッタスと契約するとともに、中国人ドライバーの周冠宇(チョウ・グァンユー)をそのチームメートとして起用することを決定している。つまり、来年には初の中国人F1ドライバーが誕生することになるわけだ。
中国から多額のスポンサーマネーをアルファロメオに持ち込むことになると言われている周だが、現時点では今季F1直下の下位カテゴリーであるF2でランキング2番手につけており、実績面でもF1に昇格する資格があることは間違いない。
こうした中、『Motorsport-Magazine.com』から、周がどれくらいのスポンサー資金をアルファロメオに持ち込むことになるのかと質問されたバスールは次のように答えた。
「いや、数字を明らかにするつもりはないよ」
「そんな風に私から何かを聞き出そうとするものじゃないよ」
笑いながらそう語ったフランス出身のバスールは次のように付け加えた。
「だが、何かしらのサポートを受けられるようになるのは確かだ。そして、それは周が持ち込むわけではないが、彼には大きな話題性があると思っているよ」
実際のところ、初めて中国人F1ドライバーが誕生することにより、多くの中国系企業がF1に目を向けるのは確実だろう。
「それはこの会社にとって非常に大きなチャンスだと思っている」
そう認めたバスールは次のように続けている。
「この数週の間に、過去25年間で最も多くのスポンサーから電話があったよ。この会社にとって、そして、現在のスポンサーを含むすべてのスポンサーたちにとっても、これは非常に大きなチャンスなんだ」
「その予算がどこから出るのかについては混乱もあるが、我々にとっても、会社にとっても、さらにほかのチームやF1全体にとっても大きなチャンスだと思っているよ」
「私としては、周がサーキットで活躍してくれれば、いい結果に結びつくと思っている。今のF2での活躍を見れば、彼はF1でも同じことができると私は確信しているよ」