2021年のF1も残すところあと2戦となったが、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)による今年のタイトル争いは非常に熾烈なものとなっている。
わずか8ポイントではあるものの、現F1チャンピオンであるハミルトンをリードした状態で残り2レースに臨むことになるフェルスタッペンは、スペインの『DAZN(ダゾーン)』から最終戦アブダビGP(12月12日決勝)が終わった時点でF1チャンピオンと呼ばれるのはどんな気分だと思うかと尋ねられると次のように答えた。
「わからないし、それはいいことだよ。なぜなら僕はそういうことを考えていないからね」
「もし本当にそういうときがきたら、そのときにアドリブで答えるよ」
「そして、もしそうならなかったとしても同じことさ。僕はポジティブなことも考えなければ、ネガティブなことも考えないんだ」
「僕はその中間にいるし、それが自分にとって一番いいことだと思っているよ」
実際のところ、現時点ではフェルスタッペンがハミルトンに対して8ポイントの差をつけているものの、シーズン終盤にきてメルセデスF1マシンのパフォーマンスがレッドブル・ホンダをしのいでいるのは確かだと考えられており、実際にはハミルトンが逆転で通算8回目となるタイトルを獲得する可能性が高いと考えている者もいる。
こうした中、レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)によれば、現在同チームのチーフテクニカルオフィサーを務めるエイドリアン・ニューウェイが残り2戦でレッドブル・ホンダF1マシンのタイムを少しでも縮めようと非常に前向きに取り組んでいるという。
「ニューウェイはレーサーとしてスタートしたんだ」
「勝つチャンスがあると思えば、彼のモチベーションは30馬力も弱いパワーユニットを使っていたときとはまったく違うにものになるんだ」
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』にそう語ったマルコは次のように付け加えている。
「この選手権において、彼よりも経験が豊富で、異なるチームで多くのタイトルを獲得してきた者はいないよ。そして、そのことがあらゆる部門のエンジニアをやる気にさせているんだ」