レッドブルが、今季のF1タイトル争いのライバルであるメルセデスのリアサスペンション・レイアウトを模倣するつもりはないと主張した。
レッドブルは最近、メルセデスがそのリアサスペンション・レイアウトによりアドバンテージを得ていると主張しており、それによってメルセデスの直線でのスピードが時速15kmも向上しているという。
だが、レッドブルの首脳陣はそのシステムが違法だとして異議申し立てを行うつもりはないとしている。
実際のところ、レッドブルが指摘したそのサスペンション・レイアウトに関しては、メルセデスはそれをすでに2020年型マシンにも使用していたと考えられている。
「彼らは、それを以前よりもずっとうまく使っているんだ」
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』にそう語ったレッドブルのクリスチャン・ホーナー(チーム代表)は次のように続けた。
「トルコ(第16戦)ではターン8からターン12まではコンマ7秒だった。だが、彼らはターン8では速くなかったんだ。私は、彼らにとっては直線でのスピードの方がもっと重要だったのだと推測しているよ」
実際、オースティンで行われた第17戦アメリカGPでは、メルセデスはそのシステムからほとんど利益を得ていないように見えた。
これについてレッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは次のように語った。
「彼らは高速コーナーがあるため車高を下げることに用心する必要があったんだ。だから、ストレートでは我々よりもコンマ1秒ほど速かっただけだ」
そうしたことから、レッドブルではメルセデスのリアサスペンション・レイアウトを模倣するつもりはないようだ。そもそも、メルセデスよりもレーキ角が大きいレッドブルF1マシンにそのレイアウトを組み込むのは不可能だという。
「それは我々にはうまく機能しないよ」
ホーナーはそう語ると、F1界有数のマシン設計者として知られるエイドリアン・ニューウェイ(チーフテクニカルオフィサー)の名前を出しながら次のように付け加えた。
「我々のマシンのコンセプトはフロントウイングをできるだけ路面に近づけることで機能するんだ。ニューウェイのマシンはいつもそうだったよ」