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ドイツのF1テレビ視聴者数が激減 「ほとんど誰も見ていない」とドイツ紙

2021年10月13日(水)5:16 am

F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリはF1が「かつてないほど生き生きとしている」と主張している。だが、テレビの統計データによれば必ずしもそうとは言えない結果が出ているようだ。

昨年から新型コロナウイルスの影響を強く受けているF1だが、今年もシーズン前半には無観客で開催されたレースが少なくなかった。

最近では少しずつ観客がサーキットに戻りつつあるが、ドメニカリは先週、F1への興味が「劇的に高まっている」と主張し、次のように付け加えていた。

「トルコ(第16戦)では8万人の観客を迎えたが、オースティン(第17戦アメリカGP/24日決勝)では12万人になるだろうし、メキシコ(第18戦/11月7日決勝)はチケットが完売しているよ」

こうした中、このほどドイツの『Bild(ビルト)』紙がテレビのF1視聴者数を分析した結果を発表したが、それによると2010年には平均で629万人がテレビ局『RTL』を通じてF1をテレビ観戦していたものの、今年はその数が大幅に減ってしまっているという。

『ほとんど誰も見ていないF1選手権スリラー』というタイトルが付けられたその記事は、「それ(2010年の視聴者数)は、2021年の約8倍にあたる」と締めくくられている。ということは、今年のドイツでの1レース平均F1テレビ観戦者は79万人ほどということになる。

この数字の低さがチームやスポンサーにどのような影響を与えているのかと質問されたドイツの自動車メーカーのF1ワークスチームであるメルセデスの広報担当者は次のように答えた。

「もちろん、今年は観客動員数が少なくなっている」

「しかし、近年ではほかのヨーロッパ諸国でも同じような傾向がある。それにもかかわらず、現在、このスポーツは急速に成長しているよ」

ドイツにおける今年のF1テレビ視聴者数減少に関しては、昨年まで無料放送を行っていた『RTL』が撤退し、今年から有料放送しかなくなったことも考慮に入れておく必要はあるだろう。

また、昨年こそ新型コロナウイルスによってキャンセルされたレースの代わりにニュルブルクリンクでアイフェルGPが開催されたものの、今年以降は国内でのF1開催が予定されていないこともファン離れの要因となっていることは想像に難くない。

だが、これまでにミハエル・シューマッハ、セバスチャン・ベッテル、ニコ・ロズベルグという3人のF1チャンピオンを輩出し、合計12回のドライバーズタイトルを獲得するという、いずれもイギリスに次ぐ2番目の記録を持っているドイツでF1熱が冷めつつあるとすれば、それは世界中のF1ファンにとってもさびしいことであるのは確かだ。

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