最近、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)が、F1のレース競技委員たちがドライバーにペナルティを科す際に偏った判断を行うことがよくあると語ったことに対し、F1レースディレクターを務めるマイケル・マシが反論を行った。
ソチで行われた今季のF1第15戦ロシアGPでは大雨となったレース終盤にランド・ノリス(マクラーレン)がピットエントリーの白線を横切ってしまったものの厳しいペナルティが与えられず戒告処分にとどめられたことが話題となっていた。
第16戦トルコGPが行われたイスタンブールにおいて、F1競技委員の判断について質問を受けたアロンソは次のような主張を展開していた。
「僕は今年何度もバカを見たよ。ドライバーたちがコースオフしながら僕をオーバーテイクしたときにね」
「競技委員たちからは何のアクションもなく、次のレースでもそのことについて質問されることはなかった」
アロンソは、自分は「いくつかのルールは特定の人にしか適用されない」という持論を持っているが、メディアが疑問を呈したことで「多くのことが確認できた」としている。
アロンソはその一例として、第9戦オーストリアGP決勝では日本人ドライバーの角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)がピットレーン入り口の白線を横切ったとして2度にわたって5秒のタイムペナルティを受けるということがあったが、その一方で、ソチではノリスが明らかに白線を横切ったにもかかわらず、単なる戒告処分で終わったことをあげ、次のように付け加えた。
「次は誰が悪者になるのか、彼の国籍はどこなのか、どんな罰を受けるのか、様子を見ることにしよう」
だが、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)に所属するオーストラリア出身のマシは、このアロンソのコメントに関する質問を受けると次のように語った。
「私はそのような非難には対応していないよ」
「すべてのドライバーには自分の意見を述べる権利がある。だが、レギュレーションは誰にとっても同じだよ」
マシは、競技委員がペナルティを適用するかどうか、また、どれほどのペナルティを与えるかを決定する際に、特定のドライバーの身元や国籍に目を向けることはないと強く否定している。
「競技委員たちは独立した委員会に所属しており、それぞれの案件を自分たち自身で審査している」
そう語ったマシは次のように付け加えた。
「彼らは、手に入るすべての情報やデータを使って審査を行い、そして決断を下しているんだ」