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【インディ500】佐藤琢磨が2連覇、3勝目へ意気込む 世界で活躍する日本人として松山英樹と大谷翔平に「エネルギーを頂いた」

2021年05月18日(火)12:52 pm

昨年インディ500で2勝目を達成し、ディフェンディング・チャンピオンとして臨む佐藤琢磨(RLL/ホンダ)が、2021年インディ500開幕直前オンライン取材会で、3勝目そして2連覇に対する意気込みを語った。

プラクティスは18日から始まるが、その前日の朝、佐藤琢磨が日本のメディアに規定時間を大幅に超えて約1時間超、熱い想いを語った。

2020年は、古巣RLLでインディ500の2勝目を達成。RLLとは2012年のインディ500ファイナルラップで2位を走行中、トップを狙って1コーナーのイン側に並んで果敢に攻めた結果、白線に乗ってスピン、クラッシュという悔しい想い出が残っていたが、2020年には見事、同じRLLでやり残した大仕事を達成した。

2012年の出来事については、「当時2位だったらインディ500日本人最上位ですし、自分のリザルトも最上位でハッピーだったかもしれないけど、その後は勝てなかったと思います」、あの時の経験が2017年と2020年のインディ500制覇に繋がっていると確信しているようだった。

また、「あの時は荒削りだったかもしれないけど、自分の走りのスタイルは何も変わっていません。運を天に任せるみたいな走りは一度もしたことがない。一つ一つ学んできました」と着実に成長してきたと自己分析している。

■コロナ渦でのレース

昨年インディ500で2勝目は飾った時はコロナ渦で、30万人もの大観衆はそこにはいなかった。

「観客がいないのがすごく寂しかったです。どうしても雰囲気が物足りないと感じていました」

しかし今年は「収容人数の40%にあたり約14万人が戻ってきます。単日開催としては最大規模に近い、すごいこと」と関係者の努力に敬意を表した。

また、関係者全員がすでにワクチン接種を終えており、佐藤琢磨も約2週間前に2回目の接種を終えたという。これにより、サーキットの中はバブルとなり、マスクはしてPCR検査はするものの安心して臨める環境となった。ほとんどの観客もワクチン接種をしているようだ。

すでにドライバーズパレードを終えた佐藤琢磨だが、ファンの声援、特に日本語で聞こえてくる声援にはF3やF1時代からいつも感激しているという。インディアナポリスでも1コーナーから聞こえてくる声援が一番大きかったといい、そこでは3割以上がスタンディングオベーションで迎えてくれたといい、長年通い続けているファンにも感動したようだ。

2連覇、そして3勝目を目指す佐藤琢磨だが、「言葉で優勝と言うのは簡単ですが、連覇はものすごくハードルが高いと感じています」と世界で唯一感じることができるそのプレッシャーの大きさを率直に語った。

■今年の戦略は?

今年はエアロパッケージ変更により、昨年のように燃費を稼いでタイヤを保たせるような戦略の「アドバンテージはほぼない」という。

昨年は、他のドライバーがタイヤ1スティント中、前半は飛ばして、後半はデグラデーションで落ちるということを繰り返している中、佐藤琢磨はトップスピードは遅いが1スティントでは後半も落ちることなく平均的に速いという戦略が当たった。そして、燃費も稼いでいたのだ。

しかし今年は基本方針は変わらないものの「タイヤとタイムの落ち込みが全員上がっているから、絶対速度を上げたい」とまだまだクルマ作りを模索している最中だという。

■世界で活躍する日本人アスリートとして

また世界で活躍する日本人アスリートとして、先日マスターズで優勝したプロゴルファーの松山英樹選手やメジャーリーグで活躍している大谷翔平選手にも大きな刺激を受けているという。

「先日マスターズを制した松山英樹選手の活躍は日本人としても歴史的なことで、すごく興奮しました」

「(昨日の9回裏)大谷翔平選手の逆転ホームランからエネルギーを頂いて、インディ500で頑張りたいです」

今年は33名のドライバーが出場するが、その中にはモントーヤ、カストロネベスなどインディ500優勝者が9人も出てくる。強力なライバル勢が連覇を阻止しようと立ちはだかるが、その中でもスコット・ディクソンが最も強力なライバルとして意識しているようだ。

インディ500で佐藤琢磨の2連覇、3勝目に注目しよう。

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