F1オランダGPの主催責任者である元F1ドライバーのヤン・ラマースが、レッドブルが独自にエンジンプログラムを運用することになれば、それがチームにとってのアドバンテージになるだろうとの考えを示した。
現在レッドブルとそのセカンドチームであるアルファタウリにエンジンを供給しているホンダは今年いっぱいでF1活動から撤退することになっている。
だが、レッドブルでは2022年以降もそのホンダエンジンを継続使用する計画を進めている。しかし、そのためにはライバルF1チームや統括団体のFIA(国際自動車連盟)が2022年以降F1エンジン開発を凍結することに合意することが前提となる。
仮にエンジン開発凍結が合意に至れば、レッドブルはホンダのF1エンジンに関わる知的財産権を譲り受け、自分たちでエンジン製造を行っていくことになる。
ラマースは、もしそれが実現すればレッドブルとホンダの両者にとってメリットがあるはずだと考えている。
「もしレッドブルが(ホンダの)ファクトリーやランニングコスト、それに人員の一部を引き継ぐことになれば、それはどちらにとっても興味深いものとなるだろう」
「ホンダはほとんどコストをかけずに、F1での開発に関与し続けることができるからね」
ラマースはさらに、これによってレッドブルにとっても大きなメリットが生じる可能性があると考えている。
「もし同じ技術と予算がある場合、独立系組織である方が有利なこともあるんだ。メーカーの場合は図体ばかりが大きくて柔軟性に乏しくなることも多いからね」
「それにメーカーは持続可能性や安全、企業のイメージなどのテーマのもとに一定のモラルをもった対応が必要になる」
母国オランダの『RacingNews365(レーシング・ニュース365)』にそう語ったラマースは次のように付け加えた。
「例えば、信頼性によってリスクを大幅に減らすことができる。信頼性問題で苦しんだルノーが今後はアルピーヌとして続けることになったのも無理のないことだと私は思うよ」