現在フェラーリからエンジン供給を受けているアルファロメオだが、最近の情報によれば2022年以降もフェラーリとの関係を維持する方向で進んでいると考えられている。
しかし、イタリアの『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』によれば、ルノーがアルファロメオにアプローチをかけていたという。
イタリアの名門自動車会社であるアルファロメオがタイトルスポンサーについたことで2018年にはアルファロメオ・ザウバー、そして2019年からはアルファロメオとしてF1にエントリーしているスイス籍のチームだが、今もその実態はザウバーに変わりはない。
ザウバーでは2010年からフェラーリエンジンを搭載し続けてきているが、とりわけ2020年のフェラーリエンジンのパフォーマンス不足はチームに打撃を与え、キミ・ライコネンとアントニオ・ジョビナッツィの2人を合わせて8ポイントしか獲得できず、アルファロメオはコンストラクターズランキング8位でシーズンを終えている。
アルファロメオとフェラーリとの現在のエンジン供給契約は2021年に満期を迎えることになっているが、2022年以降のことについて質問されたチーム代表のフレデリック・バスールは次のように答えた。
「これは結婚のようなものなんだ。同じ女性と永遠に一緒にいられるという保証はないよ」
実際のところ、フェラーリとの関係が深いアルファロメオでは2021年にミハエル・シューマッハの息子であるミック・シューマッハの起用を望んでいたようだ。しかし、フェラーリはアルファロメオではなく、同じくフェラーリエンジンを搭載するハースでミック・シューマッハをF1デビューさせることを決定している。
これによりフェラーリとハースの関係がさらに強化されるのは間違いないと見られており、その分アルファロメオはさらに厳しい状況に置かれる可能性もあると考えられている。
こうした中、現状ではルノーエンジンを搭載するのは自分たちのワークスチームであるアルピーヌだけとなっているルノーは、新たなエンジン供給先となるチームを模索しており、その筆頭候補としてアルファロメオを検討しているという。
『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』は次のように報じている。
「ザウバー(アルファロメオ)は実際のところルノーから打診を受けており、慎重な検討が行われることになると言われている」
「ルカ・デ・メオ(社長)によって率いられるルノーはF1活動を継続するが、再びカスタマーチームを確保することが必要な状況にある。それにより財政的にも政治的にも有利になるし、若いドライバーを試す場としても利用できる」
「そういうプレッシャーもあるものの、マラネロ(フェラーリ)は新レギュレーション(2022年導入)が適用される間はスイスのチームとの協力関係を延長するつもりだ。しかし、ハースのギュンター・シュタイナー(チーム代表)とは非常によく調和しているものの、バスールとの関係は煮え切らない状態となっている」
一方、ドイツのテレビ局『RTL』は、アルファロメオが新たに2022年から2025年までの4年契約をフェラーリと結ぶのはほぼ確定的だと報じている。
ホンダが2021年限りでF1活動から手を引くことが明らかとなっていることから2022年以降のF1エンジン問題が混沌としている状況にあるのも確かだ。
2022年に向けてF1エンジンメーカーとチームとの関係に変化が生じる可能性も十分にありそうだ。