最近、7月に開幕が予定されている2020年シーズンのF1だが、“リバースグリッド”など、これまでとは違うレースフォーマットを実験的に導入する案が示されたものの、現チャンピオンチームであるメルセデスがこれに反対票を投じたことで実施が見送られることになった。
だが、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長は、新型コロナウイルスのパンデミックにより大きな打撃を受けたF1としては今年のレースをより一層面白くするための工夫が必要なのは間違いないと考えている。
「通常の環境のもとではほとんど不可能な目的を達成するために、今回のようないつもとは異なる時期を利用する必要がある」
イタリアの『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』にそう語ったトッドは、その中には最近うわさにのぼっているイタリアのムジェロ・サーキットやその他のサーキットでのF1開催も含まれるのかと質問されると次のように答えている。
「カレンダーに関しては創造的であるべきだ。F1だけでなく、ラリーからフォーミュラEに至るまでさまざまな領域においてね」
トッドは、メルセデスから反対票を投じられたものの、リバースグリッドや予選スプリントレースといった構想も必要だという立場をとっている。
「同じサーキットで2つのグランプリが行われるときには、大胆な実験を行うことだってできるはずだ」
「予選スプリントレースもひとつのアイデアだが、全員一致の賛同は得られなかった」
そう語ったトッドは次のように付け加えている。
「しかし、それは我々がほかに革新的アイデアを見いだすことができないという意味ではないよ。そのための取り組みが今行われているところだ」