新型コロナウイルスのパンデミックによって2020年のカレンダーを修正せざるを得ない状況となっているF1だが、ドイツのホッケンハイムがカレンダーに復帰する可能性も出てきているようだ。
史上最多となる全22戦で構成されていた今年のオリジナルF1カレンダーだが、そこにはドイツGPは含まれていなかった。
だが、『Frankfurter Allgemeine Zeitung(フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング)』が報じたところによれば、最近F1の管理運営組織であるFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)がホッケンハイムリンクに2020年にF1を開催できるかどうか打診してきたという。
同紙は次のように書いている。
「レースを行うためにどのくらいのリードタイムが必要かということも含め、FOMから打診があった」
F1オーナーのリバティ・メディアは、最大の収入源であるテレビ放映権料の確保に向け、今年中に少なくとも15レースを開催することを目標に掲げている。だが、F1という大規模イベントの場合、そう簡単にスケジュールできるものでなく、F1の開催が可能なサーキットすべてを視野に入れて可能性を探っているようだ。
「我々が常にF1首脳部たちとカジュアルなやりとりをしているのは事実だよ」
『SID通信』にそう語ったホッケンハイムリンクの責任者ヨルン・テスケは次のように付け加えた。
「もちろん、我々はコロナ危機がF1カレンダーに及ぼした影響に関しても話をしている」
2009年からニュルブルクリンクと交互にドイツGPを開催してきたホッケンハイムだが、2018年と2019年は連続で開催したものの、2020年に向けてはリバティ・メディアとの間の契約が合意にいたらず、今年のカレンダーからは抜け落ちてしまっていた。
だが、新型コロナウイルスによりF1シーズンそのものが危機的状況に陥っている今、テスケは「もし経済的にそうする価値があり、法的にも問題がなければ」という但し書き付きながら「検討できないことなど何もない」と語り、次のように付け加えている。
「彼らがそのようなことに関して具体的に話をしたいということであれば、我々はよろこんで手助けするよ」
テスケは、常設サーキットであるホッケンハイムリンクではそれほどのリードタイムは必要としないため、2020年にレースを行うことも不可能ではないと示唆し、次のように続けた。
「しかし、たとえそうだとしても、多くの疑問点を明確にする必要があるし、“Xデー”に適用される法的枠組みも考慮に入れておかなくてはならない」
「もちろん、F1が話を持っていくことができるのは我々のサーキットだけではない。だが、我々はF1のために財政的リスクを負うつもりはない。我々には失うために金を使う余裕はないんだ。とりわけ、こういう時期にはね」