NEXT...F1開催スケジュール

オーストラリアに入国できないチームがあれば「F1開幕戦は行えない」とロス・ブラウン

2020年03月05日(木)17:07 pm

2020年F1シーズン開幕まであと1週間となったものの、本当に来週末にオーストラリアGP(15日決勝)が実施できるのかどうか、まだ不透明な状況が続いている。

F1開幕戦の舞台となるメルボルンでは現在レース開催に向けた取り組みが全力で進められている。そして、F1チームのスタッフたちも第1便がすでにオーストラリアに向かっている。

だが、オーストラリア政府はコロナウイルス感染者が多数発生しているイタリアからの入国をさらに厳しく制限することを検討しているようだ。

オーストラリアのスコット・モリソン首相は5日(木)に、イタリアからの旅行者に対しては「より詳細なチェック」が行われることになるだろうとコメントしている。

そうなればイタリアに拠点があるフェラーリ、アルファタウリ、ハース、アルファロメオ、そしてF1公式タイヤサプライヤーであるピレリのスタッフたちのオーストラリア入国に大きな支障が出る可能性がある。

F1モータースポーツ担当マネジングディレクターのロス・ブラウンはこうした状況に関して次のように語った。

「もしもいずれかのチームが入国できないということになれば、我々はレースを行うことはできない。いずれにしても世界選手権としてのレースにはならない。不公平だからね」

また、メルボルンが所属するビクトリア州のスポーツ担当大臣であるマーティン・パクラは次のように語った。

「この状況は非常に動きが大きいと認識しており、ある程度、私の力ではどうにもできない事柄もある」

「私は非常に期待している。だが、確実なことは何も言えない」

1980年のF1チャンピオンであるオーストラリア出身のアラン・ジョーンズは、この時点でレースができるのかどうかが分からないというのはファンにとっても大きな問題だと次のように語っている。

「もしレースが行われないということになれば、彼らはすべてのファンに対して非常にひどい仕打ちをしていることになるだろうね」

こうした中、ドイツのテレビ局『RTL』は、すでに第3戦として開催予定のベトナムGP(4月5日決勝)では現地にスタッフを送り込まないことを決めていたが、このほど開幕戦オーストラリアGPと第2戦バーレーンGP(22日決勝)にもスタッフを派遣しないことになったと伝えられている。

これにより、『RTL』のスタッフはドイツのケルンにあるスタジオで、現地から送られてくる映像などをもとにF1中継を行うことになる。

『RTL』はこの決定について次のようにコメントしている。

「コロナウイルスのまん延により、感染した際には健康と安全を確保することが保証できない以上、我々に可能な判断はひとつだけだ」

しかし、ブラウンはなんとかF1を予定通り開催したいとドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』に次のように続けた。

「コロナウイルスの脅威を軽視するつもりはないよ。だが、我々は自分たちのカレンダーを維持できるよう努めていくつもりだ」

「しかし、もちろん、我々は大きな責任を有しているという自覚のもとに行動しなくてはならない。例えば、チームたちにはレースに送り込む人数はできる限り少なくするよう依頼をかけているんだ。パドックにいる人数を最小限にとどめたいと思っている」

現時点では今年初開催が予定されているハノイでのベトナムGP実施は困難だろうとの見方がかなり強くなっているが、ブラウンはその件に関しても次のように語った。

「もちろん、彼らはレースを開催したがっている。しかし、彼らも住民を守らなくてはならない」

「だから、我々としては全員が納得できる対策を模索しているところだ」

「現時点では多くのことが起きているし、日に日に状況が変化している。確実なことは何も言えないが、共に解決策を探しているところだよ」

現時点では第4戦中国GPの延期がすでに確定しており、現在これに加えて開幕戦オーストラリアGP、第2戦バーレーンGP、第3戦ベトナムGPの開催が危ぶまれる状況となっている。

だが、すでに今季に予定されている22戦が開催される国すべてで新型コロナウイルス感染者が確認されており、開幕4レースだけにとどまらず、2020年F1シーズン全体がコロナウイルスの脅威にさらされる可能性も出てきている。

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック